「働き方改革」は規制一辺倒より市場に任せたほうがよい

「働き方改革」を実効性のあるものとするには、形式的な規制を強化するだけでは不十分だ。

 超過勤務に対する割増率引き上げによって長時間労働を抑制するなどの「価格によるコントロール」や、アウトソーシングの活用による「市場に任せた問題解決」などの手法を導入すべきだ。

 そのために必要なのは、規制緩和である。

「働き方改革」は規制だけでなく、
経済原理を利用することだ

 労働問題に対処する手段として、これまで規制が中心に置かれてきた。

 雇用契約を労使間交渉だけに任せれば、力関係では、使用者が圧倒的に強いので、労働者に不利な契約が結ばれる危険がある。そのため、公的な主体が介入して、労働者の権利を守る必要がある、という考えに基づいていた。

 使用者と労働者の間に力の差があることは、事実である。したがって、基本的な事項についてまったく自由な契約に任せるのではなく、一定の規制が必要なことは間違いない。

 しかし、単に規制が強ければよいというものではない。

 問題は、規制をどこまで広げ、他方でマーケットの役割をどう考えるかだ。ここで重要なのは、経済原理をより利用することだ。