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美人のもと

バイキング

西村ヤスロウ [広告プランナー]
【第108回】 2011年8月1日
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 食べ放題形式のレストランは楽しい。好きなものを好きなだけ楽しめる。「それをなぜバイキングというのか」、「帝国ホテルのレストランが」、「アメリカではビュッフェと言っても」とか、と語り始めるとキリがないが、日本ではバイキングだ。すしでもしゃぶしゃぶでも食べ放題ならバイキングだ。海外で通じるわけでもないから、いちいちヴァイキングとしなくてもいい。

 このバイキングで美人度の差がはっきり出る。

 どこに出るのか。それはその場を楽しむ目だ。料理もしっかり見るし、会話している友人の目もしっかり見る。その視線は落ち着いている。

 落ち着いた目は一緒にいる人の気持も幸せにする。おいしいものがよりおいしくなる。さりげない会話がより楽しくなる。

 少し食べ過ぎてしまっても、それを笑える余裕があり、またこの人と一緒に食べたいなと思えるのだ。

 しかし、そんな美人ばかりではない。楽しむ目を持っていない人もいる。視線に落ち着きがないのだ。キョロキョロ食いだ。他人が何を食べているかをずっと気にしている。他人の皿を見つめる。他人が食べている表情を凝視する。新しい料理が出てくるとずっと目で追う。自分の目の前にいる友人で見えない場合は立ち上がることもある。何かと戦っているのか。

 その表情を見ているとこちらが悲しくなる。前かがみで目を見開くと同時に鼻の穴まで広がっている。たぶん耳の穴まで広げようと力んでいる。見ていて「美人のもと」が減っている瞬間だと思える。

 気になったらとにかく取る、食べる、取る、食べる、取る、食べる。その間、常にキョロキョロ。料理を口に運びながらもそれは味わおうとせず、常に次のものだ。

 ようやく店を出る。さぞかし満足だろうと思えば、そうでもない。「食べ過ぎてお腹が痛い」と文句を言う。それなのに「甘いものが多すぎて、食べた気がしない」とも言う。さらに、出るタイミングで出てきた料理を見て「あれ食べたかった」とやはり文句を言う。

 そもそも食欲が大きくなりやすい場である。そこで落ち着いて楽しむ。まずはその心がけだと思う。


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西村ヤスロウ [広告プランナー]

1962年生まれ。プランナー。趣味は人間観察。著書に『Are You Yellow Monkey?』『しぐさの解読 彼女はなぜフグになるのか』などがある。


美人のもと

『経』に好評連載中の西村ヤスロウ氏によるエッセイ。「美人のもと」とは、女性なら誰しも持っているもの、「美人のもと」を磨き続けるためのコツを解き明かす。

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