“発毛日本一コンテスト”などのCMで有名なリーブ21が、次期社長を公募する。日本人の3人に1人が髪の悩みを持ち、更に世界には日本の何十倍ものニーズがあると言われるヘアケア市場。発毛専門企業・株式会社毛髪クリニックリーブ21の代表取締役社長の岡村勝正氏は、「やればできる」と不可能を可能にし続けてきた。注目の岡村氏に、経営の極意と社長公募の全容について、独占直撃する。
抜かれる・削られる歯医者でひらめいた
“生やす”髪づくり
1945年1月13日生まれ。1972年大阪府八尾市にて、クリーニング店「サンドライ」を開店。1993年「毛髪クリニックリーブ21」を設立、同社代表取締役社長を務め、リーブ21を年商約150億円の企業に育て上げ、現在に至る。
南 今回、社長公募をすることになったとのことで、いろいろお伺いしたのですが、まずは発毛事業に着目して、事業をはじめたきっかけについて教えてください。
岡村 原体験としては、小学校5年生の頃の全頭脱毛の人との出会いです。転校生でした。私はとても気が小さく、羞恥心が強かったせいもあり、正直なところ「あんなになったら、学校来られるかな?」と思ったものでした。この体験が「ハゲはまずい」とインプットされた出来事だったんです。
そんなことを思いながら成人し、いろんな人に出会っていると、やっぱりハゲていると損をするなあと思うことが多くありました。そんな中、歯医者に通っていた時のことです。歯医者というのは、残念ながら抜くか削るか、よくて被せるかじゃないですか。
南 発毛業界に居られる岡村社長にとっては風上にも置けないやり方であると(笑)。
岡村 体の一部を削られていると感じるんですよね(笑)。その時ふと、抜くことばかりじゃなくて生やしたらいいのにと思うようになったのです。まだ当時は再生医療という考えもなかったと思うのですが、歯が生える仕組みさえわかれば生やすことはできるはずだと思ったんです。その時に思ったのが、「歯を生やすことはできなくても髪は生やせるんじゃない?」という単純な発想の転換だったのです。普通、歯は抜けたら生えてこないけれど、髪は抜けても生えてくるじゃないですか。脱毛している人は、髪が無い人ではなくて、髪が生えてこなくなった人だったのです。