ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
あなたの会社は大丈夫? 「タダ乗り社員」を生む職場

震災後の「絆の再認識」はブームで終わっていないか?
タダ乗りと無縁の企業に学ぶ“センターピン”の倒し方

河合太介 [(株)道(タオ)代表取締役社長],渡部 幹 [モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]
【第34回】 2011年8月3日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

大震災以降、改めて問い直され始めた
「一人でも生きていける」という誤認

 東日本大震災を契機に、人々の「絆」が脚光を浴びるようになった。人と人とが協力し合い、助け合う。そのことの力強さ、頼もしさ、温かさが、どれほど社会の中で生きるために大切かを、未曾有の危機をもって我々は再認識することになった。

 社会が便利になると、我々は「1人でも生きていくことができる」と誤認するようになっていく。

 たとえば食事。誰かが料理をつくってくれないと、まともな食事をとることができなかった時代は遠のいた。コンビニに行けば、自分の生活時間に合わせて好きな食事をとることができる。「いったい何時だと思っているの!」などという文句を誰からも言われずに、好きなものを食べることができる。

 たとえば情報。誰かに直接問い合わせたり、話し合ったりしないと情報がとれない時代ではない。インターネットを使えば、何時であろうと、どこに行っていようと、どんなことであろうと、好きなときに好きな情報を得ることができる。今、この瞬間にワンクリックするだけで、あなたはこのコラム以外の情報を入手できる。

 そうした便利さが、今や社会のあらゆる場面で、当たり前のように提供されている。そのことで、我々はややもすると、他の人の存在のありがたさを忘れがちになる。
他人に関与されなくても、しなくても、自分1人で十分回っていくと誤認する。

 この誤認が多くの人に広がれば広がるほど、フリーライダーは増えていく。他人に対する感謝力の希薄化、喪失は、フリーライダー化の第一歩であるからだ。

 本コラムでも繰り返し述べてきたように、最初からタダ乗りを前提とする悪意のフリーライダーだけが、会社の中でフリーライダー扱いされているわけではない。人が協力をしてくれているのに、感謝の気持ちを伝えないような人も、「あの人は、おいしいところだけ持っていくフリーライダーだ」などと認識される。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

河合太介 [(株)道(タオ)代表取締役社長]

ワトソンワイアットを経て、「人と組織のマネジメント研究所」(株)道(タオ)を設立。ベストセラーとなった『ニワトリを殺すな』をはじめ、『デビルパワー エンジェルパワー』『育ちのヒント』(共に幻冬舎)など著書多数。慶応丸の内シティーキャンパス客員ファカルティー。

渡部 幹(わたべ・もとき)
[モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]

UCLA社会学研究科Ph.Dコース修了。北海道大学助手、京都大学助教、早稲田大学准教授を経て、現職。実験ゲームや進化シミュレーションを用いて制度・文化の生成と変容を社会心理学・大脳生理学分野の視点から研究しており、それらの研究を活かして企業組織にも様々な問題提起を行なう。現在はニューロビジネスという大脳生理学と経営学の融合プロジェクトのディレクターを務めている。代表的な著書に『不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか』(共著、講談社刊)。その他『ソフトローの基礎理論』(有斐閣刊)、『入門・政経経済学方法論』、『フリーライダー あなたの隣のただのり社員』 (共著、講談社)など多数。


あなたの会社は大丈夫? 「タダ乗り社員」を生む職場

いつになったら報われるのか――。熾烈な競争に晒されたビジネスマンは疲れ切っている。そんな彼らに強い負の感情を抱かせるのが、職場で増殖中の「タダ乗り社員」(フリーライダー)だ。タダ乗り社員が増える背景には、企業の制度やカルチャーが変化し、組織に矛盾が生じている側面もある。放っておいてはいけない。ベストセラー『不機嫌な職場』の著者陣が、タダ乗り社員の実態と彼らへの対処法を徹底解説する。

「あなたの会社は大丈夫? 「タダ乗り社員」を生む職場」

⇒バックナンバー一覧