ビットコインなどの仮想通貨の価格が暴騰している。多くの人が仮想通貨を保有するのは、顧客や利用者が増えるほど価値が高まるネットワーク効果の観点から望ましいことだ。
しかし、日本の場合には、「値上がり期待」での購入がほとんどだと考えられる。仮想通貨の価格変動は激しく、暴落の危険もあることに注意が必要だ。
価格高騰、昨年初めの6倍に
日本での購入増が原因
今年1月5日の本欄で、「2017年は仮想通貨とブロックチェーンの年になる」と述べた。実際にその通りのことが起きている。
ビットコインの価格は、今年初めには1BTC=1000ドル程度だったが、6月11日には2962ドルまで上昇した。昨年1年間で2倍以上に値上がりしたので、昨年初めから見ると6倍程度に値上がりしたことになる(図表1参照)。
◆図表1:ビットコイン価格の推移
このような値上がりを示す金融資産はめったにないから、強い関心が集まるのも当然のことだ。
これまでビットコインの価格が上昇したのは、中国での購入増加によることが多かった。しかし、今回の価格上昇は、日本での購入増加によるものといわれる。その原因は、資金決済法によって仮想通貨に一定の地位が認められたことだとされている。
このような仮想通貨ブームをどう評価すべきだろうか?