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一流の磨き方
【第2回】 2017年7月25日
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浜野安宏 [映画監督、ライフスタイル・プロデューサー、生活探検家]

「自由」になれない人が、できていない1つのこと

「一流」になるために磨くべき、「人間関係」・「仕事」・「運」・「お金」・「自由」・「生き方」とは。映画監督、ライフスタイル・プロデューサー、生活探検家と、幅広く活躍する浜野安宏(はまの・やすひろ)氏による「提言」を、書籍『一流の磨き方』より、一部、抜粋して紹介する。「本物」を知る人だけが、本物になれる!

自由になるためには、
「孤独」である必要がある

 ドイツの哲学者、アルトゥル・ショーペンハウアーは、

「孤独を愛さない者は、自由をも愛さない者というべきだ。というのは、人は独りでいる間だけが自由だからである」(『幸福について―人生論―』新潮文庫より引用)

と述べていますが、私も、同じ考えです。

 私は仲間とトレッキングやキャンプに出るときも「ワンマン・ワンテント」(各自がひとり用テントを使用する)が基本です。大人数向けのテントを持っていくことはありません。

 キャンプをしていると、たとえ仲間でも、たとえ恋人同士でも、たとえ家族でも、意見が食い違ったり、仲違いするときがあります。

 そんなとき、テントがひとつしかないと、ものすごく狭い空間で、気まずい相手と身を寄せ合わなければならない。それは、「自由」ではありません。

 けれど、「ワンマン・ワンテント」なら、煩わしさから逃れることができます。
「この相手と一緒にキャンプを続けるのは、苦しい」と思うのなら、仲間と違う行動を取ることもできます。

 仲間が西に行くのなら、自分は東に行くこともできます。自分だけその場に残って、1日中、釣りを続けることだってできます。

「『○○○がしたい』と思ったときに、それを、わだかまりなく、気兼ねもなく、かなえる立場に身を置くことが『自由』ということ」です。

 最近では、キャンピングカーで旅行をする家族も増えています。
 時間を気にせず、好きなときに、好きな場所へ旅行ができるのですから、家族みんなで「自由」を楽しむ手段として、キャンピングカーが注目されているのも、わからないわけではありません。

 ですが、私にとってそれは自由ではないのです。

 なぜなら、「家族という縛りの中で、そのまま移動しているだけ」に過ぎないからです。

「みんなで助け合おう」「誰かに引っ張ってもらおう」という考えの中には、どこか甘えがある。
 誰かに依存しているかぎり、「本当の自由」は訪れないのではないでしょうか。

 1988年ごろ、私はワイオミング州の「ジャクソン・ホール」というところに、家を建てました。
 それから毎年、夏の間、1カ月は、ログハウスで過ごしています。

 目の前にグランドティトン山があってスネーク・リバーが流れていて、空港に5分、街には15分で行ける場所です。

 グランドティトンの麓で過ごす1、2カ月間は、私にとって、本当に自由な時間です。
 仕事からも、家族からも離れ、地元のコミュニティーとも接触せず、たったひとり、孤独を楽しみます。

 釣りをするのもしないのも、カヌーをするのもしないのも、登山をするのもしないのも、食事をするのもしないのも、寝るのも寝ないのも、すべて自由です。

 私の場合、1、2カ月間、ひとりの時間を持つことによって、より多くのものが見えてきます。
 目の前のものが全部、自分のものだと思えるようになって、夕陽でも、朝陽でも、鳥の声でも、川の流れでも、自分と対話をしているように思えてくるのです。

 こうした気分になれるのは、すべてにおいて「自由(フリー)」になっているからです。都市にいたら、いろいろなものに束縛されて、自然と対話する機会は持てないでしょう。

 自由と孤独は、自分を育て、自分を強くする「源泉」なのです。

「本当の自由には、孤独が伴うもの」だと私は思います。

 なぜなら、孤独ではない状態、つまり自分の行動に影響を与える誰かがいると、自分の行動が制限されるからです。

 自由とは、「今、やりたいこと」を気兼ねなくやれることであり、そのためには、孤独である必要があるのです。

 他人に気をつかったり、相手を満足させるためだけに時間を使っていたら、自分が満足することに時間を使うことはできません。

 今、幸せになるためには、「孤独である必要がある」のです。

 貴重な夏の休暇まで、普段、付き合っている人とだけ会うなんて、どんな高級リゾートであっても、「一流の生活人」とは言えないのです。

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    浜野安宏(はまの・やすひろ) [映画監督、ライフスタイル・プロデューサー、生活探検家]

    株)浜野総合研究所 代表取締役社長。 一般財団法人 ビーチ&フィールド保護協会 理事長。 特定非営利活動法人 渋谷・青山景観整備機構(SALF) 専務理事。 1941年、京都生まれ。日本大学藝術学部映画学科演出コース卒業。 南青山「FROM-1st」、「東急ハンズ」、「AXIS」、渋谷「QFRONT」、「Q-AXビル」、青山「Ao〈アオ〉」ビル、などを総合プロデュース・商業コンサルタント、その他多数プロデュース。過去に「神戸ポートアイランド・ファッション街区」プロデュース、「横浜みなとみらい21都市デザイン委員会」委員など、多くの公的活動も歴任する。現在も渋谷、青山を拠点にアジアへの活動を拡げている。 主な著書に『ファッション化社会』、『質素革命』(以上、ビジネス社)、『浜野商品研究所コンセプト&ワーク』(商店建築社)、『人があつまる 浜野安宏 ストリート派宣言』(ノア出版)、『生活地へー幸せのまちづくり』(学陽書房)、『はたらき方の革命』(PHP研究所)、『想いの実現』(浜野総合研究所)、『TETON 感じて生きる 山からの提案』(世界文化社)、ほか、多数。 映画「さかなかみ」、記録映画「TETON 山の声」、映画「カーラヌカン」などを製作、監督。


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