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混迷日本で幸せになるための“21世紀型”リテラシー
【第3回】 2011年8月8日
著者・コラム紹介バックナンバー
山口揚平 [ブルーマーリンパートナーズ 代表取締役]

貨幣は『ショートカット(中抜き)』される時代へ
お金を介さない価値交換を実践しよう

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前回は、貨幣の電子化やネットワークによる信用の可視化で、母体となる信用さえあれば、個人や企業がお金を「発行」するようになってきた世界について書いた。各国の中央銀行が発行する貨幣の価値がグラグラと揺れ動く今、「信用」そのものを養うことの大切さについて改めて考えて行きたい。第3回となる今回は、もっと進んだ世界、つまり貨幣を“ショートカット(中抜き)”して取引を行う時代について書いていこう。

 この連載コラムのテーマは、あくまで「21世紀を生き延びるためのリテラシー」である。

 にもかかわらず僕は、お金について、そして資本主義の進化について繰り返し書いている。一見、回り道に見えるが、これから起こる根源的な社会システムの変化を充分理解することが、柔軟な対応力を得ることにつながる。それが、表面的なスキルにとどまらない、真のリテラシーになる、と信じている。だから、このお金というテーマについてもう少しお付き合い頂けると嬉しい。

お金が過去、進化し
価値を下げるに至った歴史

 唐突だけど、人類の進化を支えてきた最大の機能はなんだろう?と考えてみると、それは「交換(交易)と交配」だと思う。

 人類は「交換」を通じてモノを作り、「交配」によって知識を結集し、生活環境を向上させ、寿命を延ばしてきた。

 「交換(交易)と交配」の要である、お金と社会の変遷には密接な関係がある(図1)。

【 図1 】


  その昔、社会が自給自足からそれぞれが得意なことに特化する分業社会へ進化する過程で、お金はモノの“価値指標”となった。この段階では、当然ながら交換されるモノが主役で、お金はそれを結びつける触媒にすぎなかった。

 しかしその後、お金は実際に存在するモノ以上に大量に発行され、単なる価値の指標ではなく、それ自体が価値となった。お金は神格化され、人々はモノではなくカネを得ようと考えるようになった。

 同じ時期に、実態経済と金融経済の規模の逆転が起こり、現在でもそれは続いている。

 2006年時点で、実体経済は約70兆ドル、それに対し金融経済は約570兆ドルに達している。つまりこの世界には、実態の8~10倍のマネーが常に存在していることになる。そして「お金でなんでも決めることを前提」とした資本主義の時代が定着した。ここにきて、お金は絶対的な概念となった。世界中の人が、お金はお金であり、それに並ぶものなど存在しないと思っている。

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山口揚平 [ブルーマーリンパートナーズ 代表取締役]

早稲田大学政治経済学部卒。1999年より大手コンサルティング会社でM&Aに従事し、カネボウやダイエーなどの企業再生に携わった後、独立・起業した。企業の実態を可視化するサイト「シェアーズ」を運営し、証券会社や個人投資家に情報を提供、2010年に同事業を売却後、12年に買い戻した。現在は、コンサルティングなど複数の事業・会社を運営する傍ら、執筆・講演を行う。専門は貨幣論・情報化社会論。著書に『なぜか日本人が知らなかった新しい株の本』(ランダムハウス講談社)』『企業分析力養成講座(日本実業出版社)』『そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか(アスキー・メディアワークス)』。
ブルーマーリンパートナーズ 公式サイト http://www.bluemarl.in/
Twitterアカウント http://twitter.com/yamaguchiyohei

 


混迷日本で幸せになるための“21世紀型”リテラシー

「唯ぼんやりとした不安」を理由に、芥川龍之介が自殺したのは35才のときだった。80年以上前の、繊細で複雑な作家の心境と単純に比較はできない。だが現代の若者には、将来への不安感がより広く蔓延しているのではないだろうか。日本の財政は危機的状況にあり、経済も低成長化が加速するなか、個人も国も変化を求められ、将来の見通しは不明瞭だ。たとえば、よい学校へ行き、大企業に入るーーーーそんな、高度成長期に一般的に良いとされた働き方や価値観も大きく揺らいでいる。今、私たちを取り巻く環境はどのように変わろうとしているのか? また、そのなかで生きていくために求められるリテラシーとは何か? グローバル・コンサルティング会社勤務に始まり、起業や事業売却を、30代前半までに経験した山口揚平が、痛感した社会の変化とサバイバル術を語る。

 

「混迷日本で幸せになるための“21世紀型”リテラシー」

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