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百貨店の鬼門アウトレットに
伊勢丹が今、初出店する理由

週刊ダイヤモンド編集部
2011年8月10日
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アウトレットでの値引き販売なら、常設店舗とは離れているので定価販売への悪影響が避けられるメリットがある
Photo by Toshiaki Usami

 三越伊勢丹がアウトレットに出店した。「伊勢丹」の看板で、御殿場プレミアム・アウトレット(静岡県)に、8月3~28日の期間限定でテスト的に出店。衣料品を半値近くで販売する。伊勢丹としては初の試みだ。

 これまで、百貨店がアウトレットで成功した例は少ない。

 同じグループでは、2007年に三越が御殿場と神戸三田のアウトレットに出店しているが、どちらもすでに撤退している。

 数少ない成功例が食品だ。高島屋が子会社で扱う紅茶やジャムの「フォション」ブランドで、アウトレットに2店舗出店しており、好調なため、今年7月16日に御殿場にカフェ併設型の3店舗目を出店している。

 ファッション衣料の分野では、百貨店にとって鬼門であるアウトレットだが、それでも伊勢丹があえて挑戦するのには理由がある。

 三越伊勢丹は構造改革の一環として、百貨店特有の商取引である消化仕入れへの依存から脱却し、買い取り比率の向上を進めている。

 商品の売れ残り在庫リスクを取引先のアパレルメーカーが負う消化仕入れに対して、百貨店が在庫を持つ買い取りの比率を高めれば、商品の独自性が出せると同時に高い粗利益の確保が狙える。

 現在、伊勢丹新宿本店の買い取り比率は5%未満にすぎないが、将来的には20%まで引き上げたい考え。一方で、買い取りが増えれば、当然に在庫が増え、それを処分する販売チャネルが必要になる。

 百貨店の店頭で無期限に値引きセールをしていては、ファッショナブルな売り場の鮮度が保てない。財務的にもいつまでも在庫を抱えるより、早期に処分して資金回収したほうがよい。アウトレットという販売チャネルを持つのが得策だと判断したようだ。

 今回のアウトレット出店でノウハウを積み採算性にメドがつけば本格的に出店し、継続的に在庫処分方法を確保していくものと見られる。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 須賀彩子)

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