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アルツハイマー病は発症の25年前から静かに進行する

西田佐保子 [ライター]
【第4回】

 薬物療法では、アルツハイマー病の人にはコリンエステラーゼ阻害薬(商品名:アリセプト、レミニール、リバスタッチ・イクセロンパッチ)とNMDA受容体(商品名:メマリー)、レビー小体型認知症にはアセチルコリン分解酵素阻害薬(同:アリセプト)、脳血管性認知症の人には高血圧や高脂血症をコントロールする薬(スタチンなど)を投薬することがあります。ただし、これらは症状の緩和が目的で、脳病変の進行は止められません。

 現在処方されている認知症治療薬の効能には限界がありますが、それでも確実に進行を遅らせる証拠が確立しているので、上手に使用することが大切です。

 その上で、現段階では認知症の治療=介護といってもいいでしょう。介護者の精神的、肉体的負担は非常に大きいものです。介護において究極の奥義は手を抜くことです。デイサービスを利用するなどプロの手なども借りて、後悔しない介護を目指しましょう。

早期に発症する遺伝性のアルツハイマー病

 認知症の人の脳内で何が起こっているかはわかってきたものの、メカニズムの多くは解明されていません。アルツハイマー病の場合、判明している発症原因は遺伝子変異です。両親のうち一人が、APP(アミロイド前駆対遺伝子)、PSEN1(プリセニリン1遺伝子)、PSEN2(プリセニリン2遺伝子)のいずれかに遺伝変異があってアルツハイマー病を発症している場合、50%の確率で子どもがその原因遺伝子を受け継いで発症します。

 また、アポリポたんぱくE遺伝子のイプシロン4(ApoE ε4)も発症リスク因子として知られています。危険度は大きくはありませんが、他にリスクとして議論されている糖尿病、高血圧、うつ、頭部の強打、喫煙、大量飲酒、短い教育歴なども気に留めておくとよいでしょう。

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西田佐保子 [ライター]

にしだ・さほこ/ライター・編集者。1974年東京生まれ。出版社、コンサルティング会社などを経て、2015年、医療専門サイト、毎日新聞「医療プレミア」の立ち上げに参加。興味のあるテーマは、認知症、予防医療、ターミナルケアなど。

 


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