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どうすればプロ級の演奏家になれる?
絶対音感の正体とは?
「響きの科楽」著者ジョン・パウエル博士が明かす
あなたの知らない音楽の秘密

【第67回】 2011年8月16日
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情報端末や電子楽器の普及で、我々の生活の中にますます深く入り込む音楽。聴くだけの人もいれば、楽器を手に取って自ら演奏したり、あるいはソフトウェアを使って作曲に挑戦する人も最近では増えていることだろう。そんな、人生に欠かせない音楽の原理を、科学的知識とユーモアのセンスを生かして楽しく分かりやすく論じ、欧米で注目を集めている学者がいる。物理学者で音楽家のジョン・パウエル博士だ。音楽の背景にある“科学”を知れば、音楽をよりいっそう楽しめると博士は熱弁をふるう。
(聞き手/ジャーナリスト 大野和基)

――音楽を雑音ではなく、音楽たらしめているものは何か?

ジョン・パウウェル(John Powell)
クラッシック音楽を学んだ音楽家であると同時に、物理学者。シェフィールド大学で音楽音響学を、ノッティンガム大学とルレオ大学で物理学を教えている。科学的知識とユーモアのセンスを生かして音楽の秘密を分かりやすく解説した近著「How Music Works」(邦題「響きの科楽」(早川書房刊)は、欧米の音楽ファンの間で大きな反響を呼んだ。

 耳の中には鼓膜があって、それはいわばトランポリンのようになっている。すべての音は鼓膜に届く空気で作られる圧力波からできている。その波が規則的なパターンになっており、かつ1秒間の振動数(周波数)が20ヘルツから20キロヘルツ(20000ヘルツ)の範囲であるかぎり、音符として聞こえる。

 一方、圧力波が異なった方向にランダムな間隔で届くと、鼓膜は混乱し、雑音としてとらえる。これが、音楽の音と雑音との決定的な違いだ。

――音楽の音の高さ(ピッチ)は、たとえば「A 」(ラ)の基本周波数が110 ヘルツといった具合に周波数で示されるが、それはいつなぜ決められたのか?

 良い質問だ。私自身、近著「How Music Works」(邦題『響きの科楽――ベートーベンからビートルズまで』早川書房刊)の取材活動の中で初めて知ったことだ。

 じつは現在コンサートで使われている標準的な音は、専門的な会合が何度も持たれた後、第二次世界大戦前夜の1939年にロンドンのBBCで開かれた専門家会合で決められたものだ。それ以前は、音の高さは国どころか、町によっても異なっていた。

 質問に戻れば、標準的な音が決められたのは、クラリネットやフルートのような管楽器の製造元が楽器の長さを知る必要があったからだ。短いものほどより高音になる。

 かつては製造する国によってフルートやクラリネットの長さは微妙に異なっていたため、それぞれに違った音程を出していた。ギターやバイオリンの場合、弦を強くピンと張って、音程を変えることができるが、フルートやクラリネットにはそれができない。だから、音の周波数を決める必要があった。

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