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シリコンバレーで考える 安藤茂彌

日本の起業家がシリコンバレーで表彰される日が来た

安藤茂彌 [トランス・パシフィック・ベンチャーズ社CEO、鹿児島大学特任教授]
【第48回】 2011年8月17日
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 シリコンバレーに多くの日本のベンチャー企業が来てプリゼンテーションするというので参加してみることにした。この会は8月5日に当地のインキュベーション施設Plug & Play Tech Centerで開催された。主催者は日米双方でインキュベーションとベンチャーキャピタルを営むSunBridgeだった。

 SunBridgeの社長Allen Minerはオラクルの日本法人の立ち上げを行い、その後日本でベンチャー企業のインキュベーション事業を開発してきた先駆者である。

 発表は2つのセッションに分かれていた。第1部ではグローバルな展開を目指す日本のベンチャー企業16社が発表した。たった3分間のパワーポイントを使っての発表であったが、英語が聞きとりにくく理解するのに苦労した。面白い発表をした会社もいくつかあったが。総じてFacebook、Twitter、iPad、iPhone、Androidのプラットフォーム上で稼動するアプリケーションを披露する会社が多かった。

 iPadを使った廉価なPOSシステム、スマートフォンのウェブサイト構築と最適化技術、スマートフォンを使って世界各地でゴミ拾いを推進しこれをGoogle Mapで追跡するサービス、Facebook、Twitter上でチャリティーと寄付を展開するサービス等様々であった。アイディアは確かに面白いが、どのように収入を上げていくのかハッキリしない発表もあった。一部を除き軽いアプリケーションが大半を占めていた。

 第2部ではアメリカのベンチャー企業17社が発表した。17社のビジネスは様々であった。電池の長寿命化技術あり、ナノテクを駆使した半導体あり、画像処理あり、ビデオ・サービスありと、分野はかなり広範に分岐していた。アイディアの面白さを競うよりは、いまこの国で注目されている分野のテクノロジー開発に力を注いでいる企業が多かった。ベンチャーキャピタルが既に投資している会社も何社かあった。

 33社の発表が終わって審査の結果、4社がスポンサーの名前をつけた賞を受賞した。第1部からは、水の使用量を最小限に抑えて農産物の収穫量の拡大を図る技術を披露したmOasisが選ばれた。いま米国で注目されているテーマに照準を合わせたベンチャーである。同社はスタンフォード大学で、環境の修士とMBAを取得した日本人が社長を務めるベンチャーだった。日本人、中国人、インド人の3人が出資して創業した若いベンチャーである。

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安藤茂彌 [トランス・パシフィック・ベンチャーズ社CEO、鹿児島大学特任教授]

1945年東京生まれ。東京大学法学部卒業後、三菱銀行入行。マサチューセッツ工科大学経営学大学院修士号取得。96年、横浜支店長を最後に同行を退職し渡米。シリコンバレーにてトランス・パシフィック・ベンチャーズ社を設立。米国ベンチャービジネスの最新情報を日本企業に提供するサービス「VentureAccess」を行っている。VentureAccessホームページ


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シリコンバレーで日本企業向けに米国ハイテクベンチャー情報を提供するビジネスを行なう日々の中で、「日本の変革」「アメリカ文化」など幅広いテーマについて考察する。

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