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「引きこもり」するオトナたち

いまや就職氷河期世代が引きこもりの中核に!
存在を顕在化させた“バブル崩壊の罪”

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第77回】

バブル崩壊、リーマンショックが生み出した
多くの「引きこもる大人」たち

 ここ最近、社会に適応できない「新たな引きこもり層」が大量に生まれている。

 新たな引きこもり層とは、従来の「不登校の延長」的なイメージで語られてきた引きこもりの人たちとは別に、一旦、就職した会社を休職し、そのまま離脱したり、就職活動で上手くいかなかったりしたことをきっかけに、社会とのつながりを持てなくなってしまった人たちのことだ。

 ここ1~2年の様々な官民の調査をみても、引きこもり全体に占める社会人経験者は、半数を超えた。

 筆者がインタビューしていても、引きこもるようになったきっかけを聞いていると、ある特徴的な傾向が浮かんでくる。

 例えば、彼らが社会を離脱していった時期で多いのは、山一證券や北海道拓殖銀行などが破たんした97年以降の金融不況の頃だ。

 そして、次に波が来るのは、2008年のリーマンショック以降のこと。リストラなどに遭って、働きたくても雇用の場がなくなり、引きこもっていく中高年者たちがどっと増えたような印象がある。

一方、1971年生まれ以降のいわゆる“就職氷河期”世代が、バブルの崩壊のあおりで、大学卒業後の就職活動が思うように行かず、仕事を転々としたあげく、いまは引きこもり状態になっているというケースもよく聞く。

 とくに、30歳代前半から40歳代前半にかけての世代は、元々こうした心性を持っている人が目につく。彼らは、いまや日本の引きこもりの中核を成す層でもある。

 こうした引きこもりの人たちは、最近増えたのかというと、そうは思わない。元々、引きこもりの心性を持つ人たちは、昔からいた。

 ところが、皆で理想を夢見ていられた高度経済成長期を経て、バブル崩壊以降の日本の構造の変化を機に、社会が彼らのような存在を支えきれなくなっているのではないか。つまり、社会に潜在化していた人たちの存在を顕在化させる日本の構造の変化が、引きこもり者を大量に生み出す背景にあると思えるのである。

 一体なぜ、引きこもりの心性を持った人たちの存在が浮き彫りにされるようになったのか。この間、日本が歩んできた社会の変化を振り返ってみた。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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