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借りたら返すな!
【第3回】 2017年7月31日
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大久保圭太

会社を守るのは現預金だけ!

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会社が潰れるのは、どんなときか?

 借入が怖いという大きな理由の一つに、「返せないかもしれないから」という話をよく聞きます。借入には返済期間がありますから、その期間内にきちんと利益を出して返せるか不安なのは理解できます。

 でも、もっと怖いことがあります。

「現預金がなくなる」ことです。

 会社が潰れるのは、現預金が「底を突いた」ときだけです。

 借入が返せないことではなく、現預金がなくなることを怖がるべきです。

 現預金を早く増やすには、やはり銀行からの借入が一番です。

 中小企業の財務基盤は脆弱なことが多いので、利益から法人税を払って現預金を貯めていくのは時間がかかりすぎます。

 ではいくら借りればいいのか?

 まずは「借りられるだけ、借りる」です。

 明日から売上がゼロになっても潰れない現預金を持つ。

 まずはここからスタートするべきです。

 中小企業白書によると、中小企業は設立から10年で約30%が市場から退出するそうです。

 20年だと半分の会社が生存できていません。

 10年で約30%の会社が現預金が底を突き、生存できなくなってしまうのです。

 創業から10年も経たずにこんなに多くの会社が潰れてしまうのは、設立前に現預金を用意し、創業融資をきちんと受けていないからではないでしょうか。

 会社法が施行された際、最低資本金制度が撤廃され、資本金が1円でも会社が設立できるようになりました。設立の相談に司法書士のところに行くと、「資本金はいくらにしますか? いくらでもいいですよ」と言われるそうです。

 たしかに法律上はそれでいいのでしょうが、会社の設立費用さえ賄えない資本金でいいわけがありません。

 本当に1円や1万円の資本金の会社を見ることがありますが、個人資産が相当あるケースでなければ、創業融資も受けられません。よほどよいビジネスモデルでなければ、あっという間に潰れてしまうのも当然です。

 現預金の重要性を理解していないので、借りられなくなってから相談にくるケースがほとんどです。第2章で詳しくお話ししていますが、銀行はお金がない人にお金は貸しません。

 やはりお金があるときに、さらにお金を集め、絶対に潰れない現預金残高を持つことが重要なのです。

 借入がゼロで現預金が100万円の会社と、借入が1億円あって、現預金が1億100万円の会社ではどちらが存続する可能性が大きいでしょうか?

 当たり前ですが、1億100万円を持っている会社です。

 1億100万円を持っている会社は、1億円の赤字を出しても潰れませんが、100万円しか持っていない会社は、100万円の赤字でも潰れてしまいます。

 もちろん最後は実質無借金、つまり借入金よりも現預金残高が多い状態を目指すべきです。この状態になれば、いつでも返すことができます。

 会社が本当に強い財務体質になり、絶対に潰れない現預金残高を持つまでは、銀行に応援してもらう。銀行を味方につけながら、現預金残高を最大化し、安定した経営をおこなっていくのが、中小企業の財務戦略の基本です。

 会社を守るのは現預金残高しかないのです。

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    大久保圭太

    Colorz Consulting株式会社代表取締役。Colorz国際税理士法人代表社員。
     税理士。早稲田大学卒業後、会計事務所を経て中央青山PwCコンサルティング株式会社(現みらいコンサルティング株式会社)に入社。中堅中小企業から上場企業まで幅広い企業に対する財務アドバイザリー業務・企業再生業務・M&A業務に従事。企業再生案件において、過去節税のために生命保険に加入した経営者が、業績悪化とともに借入等が返済できなくなり、生命保険金欲しさに自殺するのを間近にみて、自分の無力さに悩む。税理士の適切でないアドバイスにより会社の財務が毀損し、苦しんでいる経営者が多数いる現実を変えるには、税理士業界の意識を変える必要があることを痛感。
    2011年に独立し税理士法人ACS(現Colorz国際税理士法人)・株式会社ACS(現Colorz Consulting株式会社)を立ち上げ、成長企業に対する財務コンサルティングを中心に、累計1000社以上の財務戦略を立案している。


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