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借りたら返すな!
【第5回】 2017年8月4日
著者・コラム紹介バックナンバー
大久保圭太

投資の失敗以外、倒産はありえない!

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会社が危うくなる一番の原因とは

 「新しくお店を出したが、なかなか軌道に乗らず現預金が減ってきたので借入したい」という相談に乗ることがあります。

 なかには「設備資金」を借りず、手元にある現預金で投資していた方もいました。

 手元にある現預金で投資をしてしまうと、投資を失敗したと同時にその投資額の現預金が減ってしまうのはもちろんですが、万が一赤字になった場合、それを埋める現預金も減っていってしまいます。

 会社が危うくなる一番の原因は、「投資の失敗」です。

 当たり前ですが、現預金を一気に使うからです。また、新しいことを始めるので通常より先が見えないからです。

 店舗系のビジネスであれば、出店の失敗。製造系のビジネスであれば、工場や機械へ投資したにもかかわらず、想定したほど利益が上がらないといったイメージです。

 経常的に赤字のビジネスは困りますが、人を余計に雇ったり、家賃の高いところに会社を構えたり、固定費への投資に失敗すると、現預金が減ってくるのです。

 これを回避するにはどうすればいいのでしょうか?

 投資額以上の借入をするしかありません。

 特に設備資金は、基本的に投資する前にしか借りられませんので、絶対に借りておくべきです。後で「やはり借りておけばよかった」では遅いのです。

 また、投資するということは新しいことを始めるわけですから、見通しがつかない期間の「運転資金」もできるだけ借りておくべきです。

 新しいことを始めるときは、それくらい慎重であるべきなのと同時に、借りる理由が付くので銀行からの借入がしやすいのです。

 また「金額」だけでなく、「期間」も重要です。

 実際のビジネスにおいては、投資した金額を利益を出して回収する期間は短いほうがいいですが、借入金はなるべく長い返済期間で借りたほうがいいです。

 設備資金であれば最低7年。運転資金でも最低5年で借りるべきです。

 当座貸越、つまり銀行がいつでも引き上げることができる借入金で新店舗を出したという方がいましたが、相当無謀です。

 「そんなに借りなくても絶対にうまくいく」と言う方もいますが、赤字になってからの借入は厳しいので、まずはできるだけ大きい金額をできるだけ長期で借りることをお勧めしています。

 本当にうまくいって返せるくらいの現預金がつくれたら、早く返せばいいのです。

 ただし、事業の拡大を目指す方は早く返したりする必要はありません。

 次の投資が失敗するかもしれませんから、現預金は持っておくべきです。

 もちろん次の投資のときも同じように、できるだけ大きな金額をできるだけ長期間で借ります。結果として、現預金残高を最大化する強い財務体質がつくれるのです。

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    大久保圭太

    Colorz Consulting株式会社代表取締役。Colorz国際税理士法人代表社員。
     税理士。早稲田大学卒業後、会計事務所を経て中央青山PwCコンサルティング株式会社(現みらいコンサルティング株式会社)に入社。中堅中小企業から上場企業まで幅広い企業に対する財務アドバイザリー業務・企業再生業務・M&A業務に従事。企業再生案件において、過去節税のために生命保険に加入した経営者が、業績悪化とともに借入等が返済できなくなり、生命保険金欲しさに自殺するのを間近にみて、自分の無力さに悩む。税理士の適切でないアドバイスにより会社の財務が毀損し、苦しんでいる経営者が多数いる現実を変えるには、税理士業界の意識を変える必要があることを痛感。
    2011年に独立し税理士法人ACS(現Colorz国際税理士法人)・株式会社ACS(現Colorz Consulting株式会社)を立ち上げ、成長企業に対する財務コンサルティングを中心に、累計1000社以上の財務戦略を立案している。


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