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借りたら返すな!
【第6回】 2017年8月7日
著者・コラム紹介バックナンバー
大久保圭太

会社は誰に引き継ぐ?
借金を返さないと引き継げない?

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 借入は、永遠に引き継いでいけばいい

 これだけ借入を推奨すると、「でも借りたものは最後には返さなきゃいけないんですよね?」という質問を受けます。

 「最後」とはなんでしょうか?

 はじめに申し上げましたが、借りたものは借りた「会社」が返すべきです。

 会社は「ゴーイング・コンサーン」、つまり永続していくことが前提です。

 だからそもそも「最後」などないのです。

 一方、社長は人間ですからいつか死にます。

 当たり前ですが、会社を次の世代に引き継いでいかなければいけません。

 中小企業の社長はその会社の株主であることが多いですが、経営者であると同時に株主=オーナーでもあるという2つの立場の違いをきちんと理解することが重要です。

 中小企業の場合、経営者の引き継ぎは困難なケースが多いです。特に初代の経営者ですと、社長のマンパワーに依存しているケースが多いので、なかなか引き継げる人がいないと悩んでいる会社がほとんどではないでしょうか。

 一方、オーナーとして会社を引き継ぐということは、株式を誰かに譲渡するということです。他人への売却であれ、身内への承継であれ、株式の譲渡です。

 他人への売却であれば高く売りたいでしょうから株価を高くしたいでしょうし、身内への承継であれば、なるべく税金がかからないように株価を抑えたいと思うでしょう。

 いずれにしても、株式を譲渡するだけです。

 では、引き継ぎ時に借金は返さなければいけないのでしょうか?

 当然ですが、返す必要はありません。法人の借入金ですから、法人の利益で返済していけばいいのです。
借入が残っている会社の株式を引き継いだ次のオーナーは、その借入を使って経営できる次の経営者を選任し、会社を継続してもらえばいいのです。もちろん、次のオーナーが経営者として適任であれば、本人が経営も引き継げばいいでしょう。

 所有権の引き継ぎも経営権の引き継ぎも、会社が永続する限り永遠に続きます。

 そのたびに借入の返済をしていたら、会社を永続させることができるでしょうか?

 現預金の少ない潰れそうな会社を引き継ぎたい人がいるでしょうか?

 借入は、会社が永続を目的としている限り、永遠に引き継いでいけばいいのです。

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    大久保圭太

    Colorz Consulting株式会社代表取締役。Colorz国際税理士法人代表社員。
     税理士。早稲田大学卒業後、会計事務所を経て中央青山PwCコンサルティング株式会社(現みらいコンサルティング株式会社)に入社。中堅中小企業から上場企業まで幅広い企業に対する財務アドバイザリー業務・企業再生業務・M&A業務に従事。企業再生案件において、過去節税のために生命保険に加入した経営者が、業績悪化とともに借入等が返済できなくなり、生命保険金欲しさに自殺するのを間近にみて、自分の無力さに悩む。税理士の適切でないアドバイスにより会社の財務が毀損し、苦しんでいる経営者が多数いる現実を変えるには、税理士業界の意識を変える必要があることを痛感。
    2011年に独立し税理士法人ACS(現Colorz国際税理士法人)・株式会社ACS(現Colorz Consulting株式会社)を立ち上げ、成長企業に対する財務コンサルティングを中心に、累計1000社以上の財務戦略を立案している。


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