「Google+」トップページ。現在は招待制となっている。Facebookの牙城を崩すことができるか?

 6月のスタート以来、すでに2500万ユーザーを獲得したとされる「Google+」

 日本でもさっそく利用者が急増しているようだが、「使い方がわからない」「ビジネスには活用できるかも」「Facebookよりも日本人に合っている」といった、様々な声が上がっているようだ。

 とりわけ日本では、ようやくFacebookに流行の兆しが見え始めてきたばかり。そこで今回は、Facebookと比較しながらこの「Google+」の特徴を探ってみたい。

 まず、「Google+」の一番の特徴は「サークル」という概念を用いている点である。Facebookの「友達」と似ているようだが、実はもう少し幅が広く、かつ、細かな分類が可能だ。あらかじめ用意されているサークルは「友だち」「家族」「知人」「フォロー中」の4つ。もちろん、任意のサークルを後から追加することもできる。ユーザーは自分との関係を踏まえながら、それぞれのサークルにメンバーを割り振っていくこととなる。

 このサークルがFacebookの「友達」と異なるのは、自分が全く知らない相手(たとえば著名人など)も、サークルに加えることができることだ。Facebookの場合、知り合い以外の人間に「友達リクエスト」を送ることはなかなか難しい。だが「Google+」には、今のところ「友達リクエストを送る」という手順は必要ない。サークル内にどんどんと追加していくだけである。つまりTwitterのフォローと同じような感覚で、ネットワークを広げていくことが可能なのだ。

 次に、Googleならではの強みを活かしているのが、「Sparks」と呼ばれる機能。こちらは、検索語を予め設定しておくと、そのキーワードに対する最新の情報が表示されるというものである。たとえば、「スマートフォン」というワードを保存しておくと、ニュースサイトなどから関連する記事を引っ張ってきてくれる。気になった情報に対しては、「共有」ボタンをクリックすることで、自分のホーム画面に表示させることも可能だ。

 最後に、とりわけ「Google+」で高評価を得ているのが、ビデオチャット機能である。Facebookの場合は、「友達」あるいは別途作成された「グループ」に参加しているメンバーとしかチャットを楽しむことができない。一方「Google+」では、一度に10名までであれば、全てのサークルの仲間とウェブカメラでチャットできる(「招待」という手順は必要)。画質も申し分なく、ビデオ会議などにも最適だ。

 「Google+」の強みは、何といっても既存のリソースを十二分に活用できる点だろう。とりわけ、ビジネスとの親和性は高い。なにせ、ビジネスパーソンの55.1%が「仕事でGmailを利用」しているという結果もあるほどだ(MMD研究所調べ)。それ以外にも、「Googleカレンダー」や「ドキュメント」を普段から活用しているという向きも多いに違いない。

 であるならば、社内のチームメンバー、あるいは取引先などと「サークル」を共有してビジネスに当たるということも十分にあり得る。先行するFacebookに対して、Googleがどのような反撃を見せていくのか? ソーシャルネットワークサービスの主導権争いは、まだ始まったばかりだ。

(中島 駆/5時から作家塾(R)