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櫻井よしこの論戦――頼るな、備えよ
【第1回】 2017年8月10日
著者・コラム紹介バックナンバー
櫻井よしこ [ジャーナリスト]

「安倍下ろし」歪曲報道パニックにみる
10年前と酷似したメディアの構図

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10年前の安倍政権のときと
「メディアの構図」が酷似…

にもかかわらず、「朝日新聞」をはじめとするリベラル系メディアは、安倍首相を非難する。実に不当な非難である。この理不尽な非難大合唱のなかで、7月2日に行われた東京都議会議員選挙で安倍自民党は大敗した。

10年前の第一次安倍政権の末期の状況と現在のそれは酷似している。10年前、安倍首相は1年間しかもたなかった。その間に防衛庁を「省」に格上げし、教育基本法を改正し、憲法改正に必要な国民投票法を成立させた。これで法制上、ようやく憲法改正ができるようになった。

 「朝日新聞」をはじめとする憲法改正に否定的なメディアと野党は大いに反発し、警戒を強め、安倍首相への轟轟たる非難の合唱を巻き起こした。

無論、当時の自民党の側にも問題はあった。松岡利勝農林水産大臣の自殺があり、後任の赤城徳彦大臣は異様な「絆創膏姿」でマスコミに批判された。

メディアは連日書き立て、ワイドショーでは多くのタレントや有名人が同調して、世間は自民党批判、安倍批判一色となった。その結果、安倍自民党は参議院議員選挙に大敗し、首相の辞任につながった。
今回も、安倍首相は選挙前に憲法改正につながる重要な動きを見せた。5月3日に「読売新聞」での単独インタビューで憲法改正に具体的に踏み込み、核心の九条に触れた。

自民党総裁としての首相の提案は、9条1項と2項を残し、自衛隊の存在を憲法に書き込むという絶妙な曲球だった。絶対平和主義の2項を残すという首相提案に公明党は反対できない。日本維新の会も、教育の無償化を掲げる首相の改憲案に反対する理由はない。

よく考え抜かれた戦略的9条改正の提案によって、にわかに改正論議は活発化した。「朝日新聞」らはどれほど驚き、恐れたことか。憲法改正を目指し、そこに近づきつつある安倍首相を許さないというリベラル勢力の怒りと恐れが、洪水のような安倍批判となった。加計問題が材料に使われた。というより、真実を知れば加計問題は安倍批判の材料たり得ない。にもかかわらず、「朝日新聞」もテレビ局の報道番組の多くも、報道を偏向させて、加計問題で安倍政権を非難した。

10年前と今年、同じ歪曲報道が、憲法改正に向けた安倍首相の動きを打ち砕くために行われている。共通項は「憲法改正」なのである。

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    櫻井よしこ [ジャーナリスト]

    (さくらい・よしこ)ベトナム生まれ。ハワイ州立大学歴史学部卒業。「クリスチャン・サイエンス・モニター」紙東京支局員、アジア新聞財団「DEPTH NEWS」記者、同東京支局長、日本テレビ・ニュースキャスターを経て、現在はフリー・ジャーナリスト。1995年に『エイズ犯罪 血友病患者の悲劇』(中公文庫)で第26回大宅壮一ノンフィクション賞、1998年には『日本の危機』(新潮文庫)などで第46回菊池寛賞を受賞。2007年「国家基本問題研究所」を設立し理事長に就任。2011年、日本再生へ向けた精力的な言論活動が高く評価され、第26回正論大賞受賞。2011年、民間憲法臨調代表に就任。 著書に『論戦』シリーズ(ダイヤモンド社)、『「正義」の嘘』(花田紀凱氏との共著)『日本人のための憲法改正Q&A』(以上、産経新聞出版)、『日本の敵』(新潮社)、『日本人に生まれて良かった』(悟空出版)など多数。


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