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櫻井よしこの論戦――頼るな、備えよ
【第2回】 2017年8月12日
著者・コラム紹介バックナンバー
櫻井よしこ [ジャーナリスト]

新作の反日映画「軍艦島」が大ヒット…
日本糾弾の包囲網を張り巡らす韓国

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呉氏が続けた。

 「映画を製作した反日団体は、日本は強制連行の証拠はないと言い張るが、われわれがその証拠を見せてやると言って製作したのです。このような言説を信じる韓国民はとても多い。年配の世代の人たちは慰安婦が強制連行でなかったことを知っています。けれど、そういう真実を公に語ると大変なことになります。殴られたり、水をかけられたり、土下座させられたり、あまりの酷さに良識ある人々は口を噤んでしまうのです」

両国にとってこれ以上の不幸はないが、これが韓国の反日教育の結果なのである。

国際的な日本糾弾のために
「映画大ヒット」を目指す反日勢力

話を映画「軍艦島」に戻そう。

韓国紙「中央日報」は、同映画は「軍艦島に強制徴用された朝鮮人たちが命がけで脱出を図ろうとする過程を描い」たと伝えた。柳氏は強制徴用された多くの朝鮮人の苦しみを「映画的想像力を加味し」「現在の韓国映画で作りえる極限ラインに挑戦し」たと語る。

韓国外務省は、韓国の総人口5000万人のうち少なくとも1000万人に加えて、広く国際社会の人々が同作品を見るだろうと予測する。配給会社側は2000万人以上の観客動員を目指すとし、韓国では、日本糾弾のためにもこの映画を「絶対にヒットさせなければならない」という声が上がっている。

周知のように、通称・軍艦島こと端島(はしま)は長崎市にあり、「明治日本の産業革命遺産」として世界文化遺産に登録された。韓国側が主張するような「多くの朝鮮人が強制徴用された」事実も、朝鮮人を奴隷扱いし虐待した事実もない。

にもかかわらず、韓国側は軍艦島は朝鮮人労働者に奴隷労働と苛酷な死を強いた島だという捏造話を喧伝し、国際社会にも流布してきた。そうした情報に基づいて書かれた記事の一つが「南ドイツ新聞」の2015年7月6日の電子版記事である。同記事では次のような内容が報じられている。

(1)端島(軍艦島)では強制労働者が苦しめられた
(2)大戦中、日本人労働者は安全な場所に移され、中国と韓国の強制労働者が働かされた
(3)中国と韓国の強制労働者1000人以上が島で死んだ
(4)死体は海や廃坑に捨てられた

この記事を掲載した「南ドイツ新聞」に対して、かつて軍艦島で暮し、働いていた島民たちが「真実の歴史を追求する端島島民の会」を設立し、抗議の声を上げた。今年1月23日のことだ。

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    櫻井よしこ [ジャーナリスト]

    (さくらい・よしこ)ベトナム生まれ。ハワイ州立大学歴史学部卒業。「クリスチャン・サイエンス・モニター」紙東京支局員、アジア新聞財団「DEPTH NEWS」記者、同東京支局長、日本テレビ・ニュースキャスターを経て、現在はフリー・ジャーナリスト。1995年に『エイズ犯罪 血友病患者の悲劇』(中公文庫)で第26回大宅壮一ノンフィクション賞、1998年には『日本の危機』(新潮文庫)などで第46回菊池寛賞を受賞。2007年「国家基本問題研究所」を設立し理事長に就任。2011年、日本再生へ向けた精力的な言論活動が高く評価され、第26回正論大賞受賞。2011年、民間憲法臨調代表に就任。 著書に『論戦』シリーズ(ダイヤモンド社)、『「正義」の嘘』(花田紀凱氏との共著)『日本人のための憲法改正Q&A』(以上、産経新聞出版)、『日本の敵』(新潮社)、『日本人に生まれて良かった』(悟空出版)など多数。


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