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田中秀征 政権ウォッチ

野田新首相は組閣も“挙党一致”で臨むのか
気になる「官房長官」と「財務相」人事の行方

田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]
【第99回】 2011年9月1日
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“挙党一致”態勢の新執行部
大震災対応への期待度は?

 8月30日、野田佳彦新首相が就任し、31日には新しい民主党の執行部が選任された。

 幹事長は、輿石東(党参院議員会長)氏、政調会長に前原誠司元外相、国対委員長に平野博文元官房長官。これは混乱を続けてきた党内を安定させる最善の陣容と言ってもよい。これなら政府与党が一体となって、大震災に対応できる期待も沸いてくる。

 小沢一郎氏に近いとされる輿石氏の幹事長起用は、挙党一致態勢の目玉人事だが、新首相にとってはそれだけではないだろう。年齢、経験、実績の重み。参院のまとめ役としての貴重な存在。それに加えて、個人的にも輿石氏の人格や手腕を高く買っていたのだろう。

 前原氏も不足はあるまい。政調会長が閣僚を兼任すべきではないという彼の持論も正論だ。

 重要政策では党内議論を尽して、党の主張を一本化し、首相が「官意」ではなく「民意」によって政策判断できるように援護するのが政調会長の役割。それが本当の政治主導だ。

 平野国対委員長は、鳩山由紀夫元首相の片腕。これで鳩山氏も政権運営、国会運営から疎外されることはない。

次の注目は「官房長官」人事
適任者は岡田克也前幹事長か

 内閣の柱である官房長官を誰にするか。これは党幹事長とともに、政権の命運を決める重要人事だ。ここは軽量級の側近よりも重量級の人材を起用するのが望ましい。すなわち、不器用だが原則をまげない岡田克也前幹事長に要請すべきだろう。

 岡田氏はこの1年、率先して損な役まわりを演じてきた。特に小沢氏の処分問題、菅前首相の退陣問題では逃げることなく火中の栗を拾ってきた。そのために党内人気が高まることはなかったが、世論はそんな彼の愚直さ、無欲さを見過ごしてはいない。大きな試練を経て岡田氏は一段と成長したに違いない。

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田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]

1940年長野県生まれ。東京大学文学部、北海道大学法学部卒業。
83年、衆議院議員初当選。93年6月、新党さきがけ結成、代表代行。
細川政権発足時、首相特別補佐。第一次橋本内閣、経済企画庁長官。
現在、福山大学客員教授、「民権塾」塾長。


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かつて首相特別補佐として細川政権を支えた田中秀征が、期待と不安に溢れた現政権の動向を鋭く斬り込む週刊コラム。刻一刻と動く政局をウォッチしていく。

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