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保田隆明 大学院発! 経済・金融ニュースの読み方

日本企業に役立つファイナンス戦略の模索が始まった!

保田隆明 [神戸大学大学院経営学研究科准教授、昭和女子大学非常勤講師]
【第25回】 2009年5月14日
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 この週末に日本ファイナンス学会の大会があり、初めて参加してきた。大会で取り上げられたテーマ一覧は

初日:http://www.nfa-net.jp/timetable_nfa_no17_1.html
2日目:http://www.nfa-net.jp/timetable_nfa_no17_2.html

である。

 多岐にわたるテーマで、聞きたい発表を全部聞けなかったことが心残りではあるが、多くの研究者の興味や分析内容を一度に吸収できるというのは非常に贅沢な機会であった。

日本に当てはまらない
ファイナンス理論はいらない?

 個別の発表内容の詳細をここで触れることはできないが、聞くことができた発表を通じて感じたことの一つは、コーポレートファイナンス戦略、M&A戦略、そしてコーポレートガバナンス論はまさに過渡期にあるということである。多くの研究者が、これからの時代に求められる戦略、理論、そして、アメリカではなく日本ではどうなのかという視点で研究に取り組んでいたのが印象的であった。もっとも、研究者は常にそういう立場で研究に取り組むので、去年までも同様の視点はあったはずであるが、今年はおそらくよりその観点が強くなったのではないだろうか。

 ある発表会のコメンテーターであった教授が言っていたことを私なりに解釈すると、学術研究はどうしても事例が豊富なアメリカが先行する傾向にあり、まずはそれを受け入れようとしてきたのが最近までの日本の金融市場であった。しかし、アメリカのものが日本では当てはまらないケースも少なくなく、日本においては実際のところどうなのかの研究がより求められているということになる。

外資系金融機関の優位性が崩れる?

 そんな状況に対して、先日の日経新聞の記事では日本企業に対してのM&Aのアドバイザリーランキングにおいて、外資系証券会社ではなく日本の証券会社が優位に立ってきているとの報告があった。外資系金融機関での人員削減が活発に行われているため、その影響による一時的なものかもしれないが、今までの海外での先行している(と思われていた)理論や実証分析をもとにした外資系証券会社の営業力が落ちることは間違いない。

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保田隆明 [神戸大学大学院経営学研究科准教授、昭和女子大学非常勤講師]

1974年生まれ。神戸大学大学院経営学研究科准教授、昭和女子大学非常勤講師。リーマン・ブラザーズ証券(東京/ニューヨーク)、UBS証券東京支店で投資銀行業務に携わる。その後、起業、投資ファンド運用等を経て、10年より小樽商科大学大学院准教授、14年より昭和女子大学准教授、2015年9月より現職。雑誌、テレビや講演で金融・経済をわかりやすく解説する。著書は「あわせて学ぶ会計&ファイナンス入門講座」「実況LIVE 企業ファイナンス入門講座」(ともにダイヤモンド社)ほか多数。早大院商学研究科博士後期課程満期退学。
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保田隆明 大学院発! 経済・金融ニュースの読み方

仕事と両立しながら大学院に通い始めた保田隆明が、大学院で学ぶからこそ見えてきた新しい視点で、世の中の「経済・金融ニュース」をわかりやすく解説する。

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