フェイスブックなどのソーシャルネットワーク・サービス(SNS)で広がる友達の輪。日本でも今、これにハマって毎日せっせとフィードを流している人は多いことだろう。
だが、果たして会社の上司や同僚は、そうしたSNSで気軽にやりとりできる「友達」か?そんな問いには、誰もがちょっと思案モードに入ってしまうだろう。だが「そうだ」と断言するのが、セールスフォースである。
セールスフォースは企業向けソフト開発会社で、ことに顧客管理ソフト(CRM)を10年以上前からクラウドサービスとして展開している会社としてよく知られている。同社は企業向けSNS「チャター(Chatter)」を提供し、これが今、急速な勢いでユーザー数を伸ばしているという。
チャターは、まずは社内のSNSとして使える。特定の部署内やプロジェクトチームでチャターのグループを組織し、その中で毎日の業務の進捗具合を報告したり、懸案のディールに対するアドバイスを求めたりするのだ。あるいは会社全体で用いれば、社長から新入社員までありとあらゆる社員が関心のある相手をフォローし、「わが社のこれから」についての意見を読んだり、ビジネスアイデアを提案したりすることができる。
セールスフォースのマーク・ベニオフCEOは、チャターのようなツールによって、社内が透明になり、肩書きに関係なく「がんばっている個人」を探し出すことができると強調する。通常ならば、上司の影に隠れてしまったりするような平社員でも、チャターで存在感を示せば、誰かが見ているわけだ。一方、企業トップにとっては、普通ならオフィシャルなかたちでしか上がってこない報告以外の方法で、社内の動向を感じることを可能にするツールになる。