「公認心理師」が国家資格化、“心理学ブーム”に備える教育界2016年に立命館大大阪いばらきキャンパスに日本最大級の総合心理学部が開設され、18年には公認心理師対応の大学院が開設される 写真提供︰立命館大学

 今年9月に誕生する国家資格「公認心理師」に注目が集まっている。2017年7月、KEIアドバンスと東京大が共催した公認心理師に関する研修会には心理学関係者、学生約500人が集まった。

 今まで心理職といえば、民間資格の「臨床心理士」が代表格。1990年代後半から起きた心理学ブームで臨床心理士資格試験の受験者は2000年に1000人を突破し、近年は2600人前後で推移している。新資格は医療現場での医師との業務の関係性に違いがあるものの、患者の心理面を支えるという業務内容は臨床心理士とほぼ同じだ。

 そして他の資格の併存を許さない医師のような「業務独占資格」ではないため、将来的に臨床心理士と業務のすみ分けはされていく。

 話題となっている大きな理由は、国家の後ろ盾がある資格だということ。就職に有利になるのではという期待感があるのだ。公認心理師は民間ではなく文部科学省・厚生労働省が管轄する。両資格とも学部を卒業後、指定の大学院(主に臨床心理士指定大学院の中から公認心理師資格取得大学院を設置する予定)に進学し、受験資格を得られる。ただし、臨床心理士は卒業学部を問わないのに対し、公認心理師は心理系学部・学科卒業である点に注意が必要だ。