The latest situation of Nuclear Shelter
自然災害からも身を守るために

 織部精機製作所で販売している空気清浄機は放射能だけでなくサリンやVXガスなどの化学兵器、炭疽菌などの生物兵器にも対応しており、6畳程度の部屋用(6人程度を想定)が62万円、10~15畳程度の部屋用(13人程度を想定)が170万円となっている。

 取り付けは24時間換気システムやエアコン用の穴を利用して屋外の空気を取り込み、室内に他の場所から外気が入らないよう密閉する。同様の考え方で、建物内に搬入する核シェルターを提案しているのが、ワールドネットインターナショナル社(以下WNI社)だ。

 元々は耐震シェルターとして開発した特殊スチール製の箱型構造物に自社開発の汚染物質除去装置を接続し、核シェルターとしても使えるようにしている。室内に安全地帯を作ることでいざという時はそこに逃げ込むというわけだ。

 

耐震シェルター

100%特殊スチール製の箱型シェルター。圧死を防ぐために、木造家屋の2階が落ちてくる時の圧力(2~4トン程度)の20倍、80トンの圧力にも耐えられる構造とか。シェルターと酸素発生装置を合わせて380万円~。耐震だけは150万円~

Lサイズの内部はソファを置いてくつろいだりするには十分な高さ。押入れに入るコンパクトなMサイズも開発。放射能除去装置を接続することで、シェルタールームとしても機能する。 オーダーメイドでの生産体制もこれまでの2倍に増強

 

 普段は酸素発生装置と接続して酸素ルームとして健康のために、いざという時はシェルターとして活用するという考え方がハウスメーカーなどに注目され、これまで年1~2件だった問い合わせが今年4月には1か月で40件ほどに増えた。

 価格はシェルターに酸素発生装置と汚染物質除去装置を合わせておおよそ600万円から。「住宅のサイズに合わせて生活の動線を邪魔しないよう、オーダーメイドで作成します。お客様の環境で安全を諦めていただくことのないようにしたい」(WNI社代表取締役 中嶋広樹氏)

 WNI社が核シェルター開発に取り組むようになったのは、2011年の東日本大震災の時。地震だけでなく、津波や放射能災害を目の当たりにして、災害大国日本におけるシェルターの重要性をあらためて訴えている。津波時にはそのまま水に浮く津波シェルターも商品化した。

 

津波シェルター

波でもみくちゃにされても破損しないことを考慮して、角のない32面体の形状を考案した。重さ500kgだが水に浮く構造になっており、鋼板の厚みを変えることで重心が下に来るように調節されている。庭に設置しておき、津波に備える

WNI社の津波シェルター(価格180万円)の中には6名まで収納可能。普段は子供部屋や書斎として使用できる。3時間以内であれば密閉状態でも酸素欠乏の恐れはなく、姿勢安定後に上部にある船舶用ベンチレーターで空気を取り込める

 

 防災という意味でのシェルターの有用性については、織部精機製作所の織部信子氏からも聞かれた。「日本のような地震国は、シェルターを備えることで地震、津波、火災などからも人を守ることができる。全てから身を守るのがシェルター」(織部信子氏)。

 同社が設計施工して兵庫県芦屋市の住宅に設置した核シェルターは、阪神淡路大震災時にも無傷で住人を守った実績があるという。