「既に我が国は核保有国になった」と宣言する北朝鮮は弾道ミサイル発射を繰り返し、今やその射程は日本全土はおろかアメリカ本土にも届こうとしている。日本が核攻撃を受ける可能性がかつてなく高まる中、「核シェルター」に対する関心も同様に集まっている。

※イラストは織部精機製作所のモデルルームを参考に作画しています。
シェルター入口は、厚さ20㎝のコンクリート扉。外開きに取り付けられており、パッキンで気密性を保つ
居室には屋外に直結する脱出口が必ず設置されている。この扉も入口と同様の仕様となっている
空気清浄機は放射能だけでなくVXガスやサリン、炭疽菌などのBC兵器にも対応。停電時は手動で動かせる
入口と居室の間の気密室には、2週間分の備蓄物資が置かれる。入口扉と居室扉は同時に開けてはいけない

 

The latest situation of Nuclear Shelter
「爆発後」を生き延びるためのシェルター

「日本は世界唯一の核被爆国。なのに、戦後70年も経っていまだに何かあるたびにみなさんが必死で(核シェルターについての)情報を探すのは、世界中から笑われてるんじゃないかと思うんですよ」と語るのは、株式会社織部精機製作所取締役の織部信子氏。

 同社がシェルター事業に取り組み始めたのは約40年前。1960年代のキューバ危機をきっかけに三代目社長の織部智男氏が、日本における核シェルター整備普及の必要性を訴え、それまで手がけていた空気清浄機の技術を活かしてシェルターの設計施工を請け負うようになったのがその始まりだ。

 同社が提供する核シェルターは、シェルターとして利用できる強度がある地下室だ。建築申請などの手続きや設計施工まですべてを請け負う。

 扉や空気清浄機などはスイスの核シェルターで使用されている製品を輸入し、壁は50センチ厚さの橋梁用コンクリートを使用することで、「広島級核爆弾の爆心地から660メートルの距離でも大きな被害を受けない」という世界基準の強度を実現する。