2011年の東日本大震災以降、「国民の生活と安全を守る」仕事が注目されており、警察官、消防官、自衛官を志望する学生が増えた。こうした公務員の採用に強い大学はどこか。「大学ランキング2018」(朝日新聞出版刊)から、上位大学の顔ぶれと特色を紹介する。

 消防官採用ランキングでは、最近5年間(2012~2016年)、国士舘大がトップを守っている。その原動力となっているのは、法、政経、文などの文系学部ではなく、体育学部だ。消防官採用者85人のうち、71人を体育学部卒が占めている。これは、同学部のスポーツ医科学科が「救急救命士」を養成するからだ。いま、消防活動において、救急救命の知識や技術が求められるようになってきた。そのため、救急救命士の資格を取って消防官となるケースが増えている。

 事実、消防官の採用と、救急救命士国家試験合格者のランキング上位校のいくつかは重なっている。国士舘大、帝京大、帝京平成大、京都橘大、杏林大、そして自前の消防車を持つ千葉科学大などである。

 国士舘大は、救急救命士国家試験でも最近5年間、ぶっちぎりの1位を続けている。2009年、東京マラソンでタレントの松村邦洋さんが走行中に倒れて心肺停止状態になったとき、救命活動を行ったのが、国士舘大のスポーツ医科学科関係者のチームであり、存在感を示した。

 帝京平成大からの消防官47人(3位)は、健康医療スポーツ学部の医療スポーツ学科救急救命士コース出身者が中心となる。同大には、学生が自主的に組織した「学生消防隊」がある。災害が起こった際、地域の救護活動を支援する大学公認団体である。

 30人の京都橘大(5位)は、2016年に健康科学部救急救命学科を設置した。これまで現代ビジネス学部都市環境デザイン学科にあった救急救命コースを改組したもので、消防官養成が文系学部から医療系学部に引っ越してきた。

 杏林大は29人(7位)。そのうち、保健学部救急救命学科出身者が27人にのぼる。2016年春卒の採用の内訳は、東京消防庁17人、千葉市消防局2人、横浜市消防局1人、などだ。