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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

サービス改善を誓った五島列島の“Cホテル”のこれからを見てみたい

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第70回】 2011年9月15日
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 数年前、上海市の中心街にあるデパート「久光」を訪れた時、衝撃を受けた。地下一階がまるで日本のデパ地下のような景観を見せていた。

 コシヒカリ、ササニシキなどのお米があるかと思うと、みそ、鰹節、みりんなど日本の調味料もたくさん置かれている。カレー関連の商品になるとその種類はさらに多い。山崎パンに日本ハム、CoCo壱番屋のカレー、20世紀梨、鶏の照り焼きなどの総菜も美味しそうに並べられている。ここはどこかと聞きたくなるほどだ。

 しかし私が興味をもったのは、そこに置かれている塩関連の商品だ。鳴門海峡の荒塩もあれば、五島列島の天日塩もある。多くの日本人も訪ねたこともないこの五島列島の天日塩がなぜ上海の繁華街にあるデパートのコーナーを飾るようになったのか。五島列島に対してまったく認知していない上海市民がそこの塩を果たして買おうとするのだろうか。いろいろと疑問を抱いた私は、久光の関係者に確かめてみたところ、案の定それほど売れていないという。やはり知名度を上げないことには無理だろうと思った。

 それでは、すこしでもお手伝いしようかと五島列島を一度訪問してみようと腹を決めた。長崎県観光連盟の関係者が私のその思いを知って、快くチャンスを作ってくれた。それが私が五島列島を訪問するきっかけとなった。

 意気込んで上陸した五島列島は、期待以上の豊かな自然で迎えてくれた。夕方の高浜ビーチは人ひとりいず、私と長崎観光連盟の関係者だけで「独り占め」しているような満足感をくれた。塩の製造現場を見る時、立ち寄った香珠子ビーチの美しさにも目も心を奪われた。

 一方、鬼岳火山から流出した溶岩が作り出した鐙瀬熔岩海岸では、青く澄みきった海の遠くから打ち寄せてくる波が荒々しい熔岩の岩に猛烈にぶつかっては砕け、海岸を縁どる白波となっていく。その後、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」を構成する教会の1つとして、ユネスコの世界遺産(文化遺産)暫定リストへの掲載が決まった堂崎教会の前に立つと、鏡のように静かで優しい入江を目の当たりにした。海の表情の多様さに陶酔したと同時に、かつての隠れキリシタンの暮らしに思いを馳せた。

 五島市内を移動しながら取材していた私は、五島の取り上げ方、紹介の仕方をいろいろと考えていた。そこへ冷や水を浴びせてきたのが同市にあるCホテルのサービスだった。その問題点は、本連載第66回「新疆ウイグルと五島列島の某ホテル、サービスの質が良いのはどちらか?」で取り上げている。ご参照いただければ幸いだと思う。

 後に、公平を期すためにも、滞在中に出会った五島バスターミナルホテルの感動的なサービスも取り上げた(詳しくは連載第67回「五島バスターミナルホテルに見る 細部に神が宿るホテルの条件」をご参照いただきたい)。

 その中で、「どのレベルの人が苦言を呈さないと改善できないのか」というある読者の厳しい問い詰めを引用しながら、Cホテルに、「私ぐらいのレベルの人間が苦言してもまだ格不足だろうか?」と詰問すると同時に、「長崎県観光連盟の関係者の皆さん、この苦言を地元の観光関係者にぜひ伝えてほしい」とお願いした。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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