自らが率いる「都民ファーストの会」が東京都議会議員選挙で圧勝し、8月7日には側近の若狭勝衆院議員が政治団体「日本ファーストの会」を設立するなど、いまや政界の最重要人物となった小池百合子東京都知事。仮に小池知事が率いる新党が国政進出した場合、どのくらいの議席獲得が見込め、そして現在の国政にどのような影響があるのか。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏に聞いた。(取材・文/清談社)
小池新党の国政進出は確実!
50議席は獲得可能
与野党を超えてその動向に注目が集まる小池新党。盟友の若狭氏が目指す国政政党、小池新党とは一体何なのか。
「小池知事が国政に進出することはハナから分かっていました。シナリオ通りということです。その裏付けは、都議選の得票数にあります。『都民ファースト』は、公認候補だけで約188万票を獲得しましたが、総選挙になった時に、その票はどこに向かえばいいのでしょうか。大敗した自民党や民進党は言わずもがな、公明党や共産党に向かうわけもありません。必ず受け皿が必要という議論になり『都民ファースト』の国政版を作らなければという話になるのは目に見えていたことです。だからこそ若狭氏は早くから離党して備えていたし、小池知事ももちろん考えていたと思います」(鈴木氏、以下同)
では、実際に小池新党が衆議院選に進出したとして、どのくらいの議席数を獲得する可能性があるのだろう。いくら都議選で勝利したとは言え、しょせんは一地方選挙、国政も同じようにいくとは思えないのだが。
「都議選で獲得した188万票をベースに考えると、現状でも全国で50議席前後の獲得は見込めると小池知事周辺の選対関係者は話しています。東京だけでも衆議院の議席は、小選挙区で25、比例で17。もし25の小選挙区すべてに候補を擁立した場合、比例でも6~8議席は獲得が見込め、20議席近くになり、他の地域での議席も含めれば、50議席前後は固いという計算です。参考になるケースとしては、橋下徹前大阪市長が『日本維新の会』を結成し国政進出した2012年の衆院選です。このとき『日本維新の会』は、地元の大阪を中心に、54議席を獲得しています」