韓の公取委が産ガス国に反旗を翻した。「仕向け地条項」の撤廃はLNG取引市場形成の一助となるかもしれない Photo:REUTERS/アフロ

 日本の動きが韓国に飛び火した。韓国の公正取引委員会が、LNG(液化天然ガス)の輸入契約における「仕向け地条項」の違法性を調査しているとの現地報道があったのだ。

 仕向け地条項とは、ガスの買い手である電力会社やガス会社が、売り手(産ガス国)からLNGを購入する際に契約書に盛り込む約束事のことをいう。あらかじめ、買い手はLNG船の仕向け地(目的地)を指定され、第三者への転売が制限される。産ガス国が買い手ごとに供給量と価格をコントロールできるという、売り手有利の“不平等条項”である。

 韓国に先んじて、日本も同様の見解を示したばかりだ。この6月末、日本の公取委はLNG取引に関する調査報告書をまとめている。それには、LNGの引き渡し地点を出荷基地とするFOB(Free On Board)契約において、「(産ガス国が)仕向け地条項を規定することは独占禁止法上問題となる恐れがある」と盛り込まれた。

 日本は世界1位の、韓国は同2位のLNG輸入国だ。そのツートップが時を同じくして、産ガス国に反旗を翻した。その背景には、産ガス国への根強い不信感がある。

 日本の場合で説明しよう。まず、「価格」が高い。2008年以降、天然ガスの価格は米国・欧州で下がる一方なのに、原油価格と連動する日本では高止まりしている。