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経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)が、生き残りに向けてスポンサー探しに奔走している。年度内を目標とする資金調達の交渉は時間との戦いだ。(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 村井令二)

「りんごがなかなか首を縦に振らない」(関係者)。ジャパンディスプレイ(JDI)は、米アップルとの交渉が難航している状況だ。

 JDIの東入來信博・会長兼最高経営責任者(CEO)は、経営再建のスポンサー探しを来年3月末までに行う意向だが、その道筋は見通せていない。

 JDIは、産業革新機構の債務保証を得て、期限1年で銀行から1070億円の融資枠を確保したが、こうしているうちにも資金が底を突く懸念はくすぶっている。

 通常の運転資金に加え、構造改革の人員削減費用や工場閉鎖に300億円を予定。さらに、茂原工場(千葉県)に新設した有機ELディスプレーの量産試作ラインなど700億円の設備投資が必要で、資金流出は続く。

 また、昨年12月に本格稼働した白山工場(石川県)の建設でアップルから総額1700億円の「前受け金」を借り入れており、その返済も今年から始まった。

 一方で、キャッシュを確保するための営業活動は停滞。中国製スマートフォン向けの液晶は、華為技術(ファーウェイ)やOPPO(オッポ)への出荷が減少しており、中国向け液晶を生産する茂原工場の8月の稼働率は10%程度まで落ち込んでいるという。

 アップルが今秋にも発売するiPhoneの一部で有機ELディスプレーを採用するため、下期の液晶出荷は一段と厳しくなりそうだ。中国でも売り上げ縮小が続けば、フリーキャッシュフローの赤字(4~6月期に216億円)はさらに拡大し、再び資金繰りの危機に陥る恐れがある。