韓国を含む東アジア圏は
日本と経済的に一蓮托生

「東アジア各国に多国籍企業が生産ネットワークを構築していった結果、域内では工程間分業が進展して工作機械や原材料、部品などの財が取引されるようになりました。こうして、いくつかの国や地域を経由して組み上げられた完成品を、最終消費地に向けて輸出するという構造ができたのです。つまり、東アジアという地域は、まるで1つの巨大企業のような経済構造になったと言えます」(平川氏)

 これをサッカーで例えるなら、日本のメーカーが自動車を生産しようとした場合にタイでエンジン、インドネシアでブレーキ、フィリピンでトランスミッションなどを作って財のパスを回しながら組み立て、完成したら欧米に向けてゴールを決めるというイメージである。

 そして、今や中国やASEANも経済発展を遂げ、生産拠点の機能に加えてマーケットとしての役割も果たすようになったのである。

「日韓経済は、あくまで運命共同体である東アジア経済圏の中の一部分にすぎないのです」(平川氏)

 平川氏の論によれば、東アジア諸国は経済的相互依存の関係にあるということだが、韓国は日本と同じでどちらかといえば“元請け”の立場である。競合関係の韓国と断交したところで、日本経済にさしてデメリットがないようにも思えるが…。

「2016年の日韓間の貿易総額は7.7兆円、日本の対韓貿易黒字は約2兆3000億円でした。日本にとって韓国は、中国、アメリカに次ぐ3番目の貿易相手国。いってみれば、韓国は下請けではなく、相互補完的な関係の取引先といったところでしょう。もし日韓断交となれば、単純にこれらの数字も“0”となりますし、結局のところ東アジア経済はかなり密接に連動しているので、巡り巡ってあおりを受けるのは日本も同じです」(平川氏)