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山崎元のマネー経済の歩き方

投資の心得、究極の一冊

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第194回】 2011年9月22日
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 パンローリングという出版社がある。同社は、翻訳されにくい投資の専門書を数多く出版しているので、熱心な投資家にはおなじみの会社だ。このたび、この会社が出版した本で、これぞ究極の一冊と思う推薦図書を見つけた。タイトルは『賭けの考え方』だ。

 この本は投資家に推薦したいのだが、投資を扱った本ではない。本のテーマはポーカーだ。

 パンローリングは、ゲームプレーヤー的なマインドセットを持つ投資家読者を抱えているせいか、ポーカーというゲームに注目しているようだ。筆者の書棚には、同社刊のポーカーの書籍が6冊ある。ポーカーというゲームは、確率の理解と心理のコントロールを競うゲームだ。筆者の理解するところ、これがゲームとしての運用の本質である。

 ポーカーのプレーヤーは、確率的に正しいプレーを継続するとともに、他のプレーヤーのミスを的確に利益としなければならない。これこそが、プロのファンドマネジャー、プロ・アマ問わずトレーダーの仕事の厳密な定義だ。

 筆者にとっては、この本のすべてのページが、「そうだ、これが言いたかった!」という内容に満ちているのだが、本の冒頭で述べられている、ポーカーにおける(運用でも同様の)「七つの考え方」をご紹介しよう。

 第1に、ポーカーの「さまざまな現実」を受け入れよ、と本書は説く。優れたプレーヤーでも、運が悪ければ負けることがある。ポーカーでも運用でも、この現実を受け入れながらも、自分のゲームプランの実現を目指すべきだ。

 第2の心得は、長期的視野でプレーすること、とある。正しいゲームプランでプレーしているのであれば、回数を重ねる「長期」にあっては報われるに違いないという思考こそが正しい賭けの本質だ。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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