企業もBCP(事業継続計画)にミサイルリスクを加え、マニュアルを整備しておく必要がある。Jアラートが鳴った途端に、公共交通機関は全てストップする。ミサイルの着弾地点から離れている場合でも、「通勤途上の人はどうするのか」「会社を臨時休業にするのか」といった行動ルールがないと、ビジネスは混乱をきたす。

 また、近くにミサイルが着弾したときのことを考えて、食料の備蓄、インフラの断絶を前提とした避難訓練の実施に加え、予めバックアップオフィスを用意しておく必要もあるだろう。

核シェルターは「ないより
あったほうがいい」程度

 北の脅威が高まっている象徴的な事例として、最近、核シェルターを販売する企業に問い合わせが殺到しているとも聞く。前述の通り、私は日本が直接核攻撃を受けることまではないと思うが、これにも言及しておきたい。

 米国では、地下何十階分にも及ぶ広大な部屋数を持つ本格的なシェルターが増えており、入居希望者は1億円程度の権利金を払えば、いざというときにそこで暮らせるようになっている。内部には、電気、トイレ、空気清浄器など生活に必要な設備が完備され、外部の助けがなくても1~2年は暮らせる施設もある。

 それに対して、日本で売られているシェルターは、トルネードシェルター(竜巻シェルター)に近いもので、一時的な避難場所というイメージ。富裕層が家を建てるとき、庭に穴を掘って埋めるようなものがほとんどだ。多少は空気をろ過できるが、内部で暮らせるのはせいぜい3日~1週間程度だ。そもそも、在宅時に核攻撃を受けたならシェルターに逃げ込めるが、外出中であれば意味がないだろう。

 北朝鮮リスクばかりでなく、日本は大地震も含めていつ何が起きるのか予測がつかないのが実情だ。危機感を抱き過ぎてもいけないが、日頃から万一のことを考え、冷静に準備をしておくのに越したことはない。