一方、戦争の当事国や近隣の国では、戦闘によって生産設備が破壊されたり、消費の停滞が起こったりする可能性が大きい。従って、「近くの戦争は売り」という判断になるわけだ。

 しかし、「近くの戦争は売り」も、その先を考えてみるべきかもしれない。例えば、A国にとって敵対関係にあるB国に対して、B国の生産力を破壊し尽くすことが直接の目的になることは稀だ。B国を、生産力を維持した状態で支配下に置くことや、B国から何らかの譲歩を引き出すことの方が得である。

 例えば、北朝鮮は、体制維持の保障を得ることや、制裁の緩和、経済協力の獲得などを目的として、韓国や日本に対して限定的な軍事行動を起こす可能性はゼロとは言えない。しかし、日本の人口密集地帯にミサイルを打ち込んだり、核を使用して大規模な破壊を起こし、経済活動を麻痺させたりすることを目的とする可能性は小さいように思われる。まして、同胞が住む韓国を破壊し尽くすことを目的に持つ可能性は小さいのではないか。

 つまり、何らかの武力の行使があったとしても、何らかの条件獲得のための、脅しなり、挑発なりの目的を達したら、それで十分と見る可能性が大きい。

「近くの戦争は売り」という原則に従って、大幅に株価が下がった場合、むしろその株価は「買いのチャンス」である可能性が大きいのではないか。その場合には、「近くの戦争でも買い」に状況が切り替わっているということだ。

「有事関連銘柄」はほどほどに

 北朝鮮有事の可能性との関わりでは、「有事関連銘柄」との付き合い方も考えておきたい。端的に言って、深入りしないことが肝心だろう。

 一般に株式投資では、「噂で買って、事実で売れ」という言葉があるが、先に考えたように、戦闘が徹底的なものにはなりにくい構造があり、需要が期待ほど続かない可能性を考慮して、関連銘柄として急騰した株式は早めに売るのが正解だろう。

 目下、市場でどのような銘柄が有事関連銘柄として取り上げられているかは、楽天証券の情報サイト「トウシル」に掲載された窪田真之氏のレポート「『防衛』関連銘柄ラリーは短命?業績はイマイチ…」(9月12日付)などをご覧いただきたいが、機雷や小銃のメーカー、電磁波シールド関連などの企業の名前が挙がっている。