万が一のときに投資家が考えるべきこと

 あってほしくないことだが、例えば日本の国土や領海に、ミサイルが着弾するような事態が起こった場合に、投資家が考えるべきことをまとめておこう。

 まず、最も急いで判断しなければならないケースは、有事関連銘柄を持っている投資家の場合だろう。関連銘柄の株価は急騰する可能性が高いが、反転して下落する時のスピードもまた速いだろう。「売り場探し」に注力すべきだ。

 次に、リスクを取る余裕のある投資家は、株価全体が大きく下落した段階で、戦闘が限定的なものにとどまり、株価が反転上昇する可能性がないか、すなわち「買い」のチャンスがないかを検討すべきだろう。

 投資家は、起きた事柄の「善悪」や「好き嫌い」だけでなく、その状況が「投資にとってどうなのか」を考える別の思考回路を持つことが大切だ。「着弾」におびえるだけでなく、「これは、投資のチャンスかもしれない」と考えてみるようなセンスが多少なりともある方がいい。

 また、iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)などでインデックスファンドを買っているような一般投資家は、「着弾」で慌てて株式を売らないように気をつけるべきだろう。

 もともと過大な投資額を株式などのリスク資産で保有しているのでない限り、株価はいったん下がっても、ある程度の時間で戻る公算が大きい。「状況は、株価に十分反映されている」と考えて、持ち続けることが正解になる可能性が大きいだろう。

 なお、北朝鮮周辺で武力衝突が起きる場合、例えばヨーロッパなどの国にとっては「遠くの戦争」だということになる。つまり、広くグローバルに分散投資しておくことも有効だと言えるだろう。

(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)