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日本を元気にする新・経営学教室

ビジネスパーソンが成長するには
なぜ経験から学ぶ力が必要になるのか?
神戸大学大学院経営学研究科教授 松尾 睦

――シリーズ「経験から学ぶ力」①

内田和成 [早稲田大学大学院商学研究科教授],成生達彦 [京都大学大学院経営管理研究部教授],平野光俊 [神戸大学大学院経営学研究科教授],根来龍之 [早稲田大学ビジネススクール教授、同ビジネススクール・ディレクター(統括責任者)、早稲田大学IT戦略研究所所長],松尾睦,髙木晴夫
【第32回】 2011年10月3日
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 ビジネスパーソンが成長し続けるための鍵を握るのが、仕事上の経験である。全6回から構成される本シリーズは、「経験から学ぶ力」をさまざまな角度から掘り下げることを目的としている。

 第1回目の本稿では、「なぜ経験から学ぶ力が必要になるのか」について考えたい。

経験が企業人の成長を決める

 優れたマネジャーの経験を調査してきた米国の研究所によれば、ビジネスパーソンの学びの70%は自分の仕事経験、20%は他者の観察やアドバイス、10%は読書や研修によるという。要は、企業人として成長する決め手は、仕事上の経験なのだ。

 では、どのような経験が人を成長させるのだろうか?

 これまでの日米の研究によれば、企業のマネジャーを大きく成長させたのは次のような経験である。

◎会社に入ってはじめて就いた仕事
◎異動にともなう不慣れな仕事
◎はじめて部下をもった経験
◎プロジェクトに参加した経験
◎文化の違う海外に勤務した経験
◎つぶれそうな事業の立て直し
◎事業の新規立ち上げ
◎できない部下を育てた経験
◎扱いにくい上司とつきあった経験

 これらの経験の内容を見ると、いままで手がけたことがない新規性の高い仕事や、高いレベルの知識やスキルが要求される仕事が人を成長させることがわかる。ちなみに、上記の経験カテゴリーは、日本と米国において差は見られない。つまり、人を成長させる経験に文化の差はないのだ。

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内田和成(うちだ かずなり) [早稲田大学大学院商学研究科教授]

東京大学工学部卒、慶應義塾大学経営学修士(MBA)。日本航空を経て、1985年ボストンコンサルティンググループ(BCG)入社。2000年6月から04年12月まで日本代表。09年12月までシニア・アドバイザーを務める。BCG時代はハイテク・情報通信業界、自動車業界幅広い業界で、全社戦略、マーケティング戦略など多岐にわたる分野のコンサルティングを行う。06年4月、早稲田大学院商学研究科教授(現職)。07年4月より早稲田大学ビジネススクール教授。『論点思考』(東洋経済新報社)、『異業種競争戦略』(日本経済新聞出版社)、『スパークする思考』(角川書店)、『仮説思考』(東洋経済新報社)など著書多数。ブログ:「内田和成のビジネスマインド

 

成生達彦(なりう たつひこ) [京都大学大学院経営管理研究部教授]

1952年生まれ。78年横浜国立大学大学院経済学研究科修士課程卒業、81年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修学、89年米国ノ-スカロライナ州立大学大学院卒業(Ph.D.)、81年南山大学経営学部に就職、94年に教授、同年京都大学博士(経済学)、98年京都大学大学院経済学研究科教授、2006年京都大学大学院経営管理研究部教授、2008年~09年京都大学大学院経営管理研究部研究部長。主著に『ミクロ経済学入門』など。

平野光俊(ひらの みつとし) [神戸大学大学院経営学研究科教授]

1980年早稲田大学商学部卒業、94年神戸大学大学院経営学研究科修士課程修了、98年同大学院博士課程修了、博士(経営学)、2002年から同大学院助教授、2006年から現職。経営行動科学学会会長、日本労務学会常任理事、日本労働研究雑誌編集委員。主著に『日本型人事管理』中央経済社。

根来 龍之(ねごろ たつゆき) [早稲田大学ビジネススクール教授、同ビジネススクール・ディレクター(統括責任者)、早稲田大学IT戦略研究所所長]

京都大学卒業、慶應義塾大学大学院経営管理研究科(MBA)修了、鉄鋼会社、英ハル大学客員研究員、文教大学などを経て現職。京経営情報学会会長、国際CIO学会誌編集長、CRM協議会副理事などを歴任。2001年度より早稲田大学教授。2010年10月より早稲田大学ビジネススクール・ディレクター。ITと経営、ビジネスモデルなどを研究テーマとする。『代替品の戦略』(東洋経済新報社)、『デジタル時代の経営戦略』(共編著、メディアセレクト)、『CIOのための情報・経営戦略』(共編著、中央経済社)など著書多数。ブログ「ITと経営」

日本を元気にする新・経営学教室

好評だった経営学教室の新シリーズ。新たな筆者お二人を迎えて、スタートする。国内市場は成熟化する一方、グローバル化は急速に進展し、新興国の勃興も著しい。もはや、自ら新たな目標を設定し、ビジネスモデルを構築しなくてはいけない時代に突入している。日本企業に漂う閉塞感を突破するには、何がキーとなるのか。著名ビジネススクールの気鋭の教授陣が、リレー形式で問題の所在を指摘し、変革のヒントを提起する。

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