著者の高橋さんが経営している富士箱根ゲストハウスは世界最大級の旅行クチコミサイト、トリップアドバイザーでエクセレンス認証を5年連続獲得した(画像:HPより)

要約者レビュー

 現在、日本を訪れる外国人旅行者が急増している。日本政府は2020年の東京オリンピックに向けて、訪日外国人旅行客数を4000万人にするという目標を掲げている。よって、今後ますます多くの外国人が日本を訪れることになるだろう。では、観光先進国として成功を収めるためには、私たち日本人は何を意識すればいいのか。その問いに対する大事なヒントがちりばめられているのが本書『富士箱根ゲストハウスの外国人宿泊客はなぜリピーターになるのか?』だ。

『富士箱根ゲストハウスの外国人宿泊客はなぜリピーターになるのか?』
高橋正美、213ページ、あさ出版、2000円(税別)

 著者は、世界最大級の旅行口コミサイト、トリップアドバイザーでエクセレンス認証を5年連続獲得した富士箱根ゲストハウスの代表を務めている。そんな著者が、「もてなしの心」とは何か、どんな心構えで外国人旅行者を迎えればいいのかについてまとめたのが本書である。外国人旅行客に満足してもらい、リピーターになってもらうには、英語力やノウハウよりも「旅行客を友人として迎え、心からもてなす」という意識の方が、よほど大切だとわかるだろう。

「もてなしの心」の本質を知ることは、観光業に携わっている人以外にとっても大いに価値がある。日本全国に外国人観光客があふれる時代は、すぐそこまできている。そんなとき、これを千載一遇のチャンスととらえられるか。おもてなしの真髄を、自社の商品やサービスにどう取り入れるか。こうした発想をもてるかどうかがビジネスの成否を分けるといってよい。インバウンド4000万人時代のバイブルとして、本書をお読みいただきたい。 (山下 あすみ)

本書の要点

(1) 旅行客の「爆買い」ブームが一段落した今、これからの外国人旅行客の関心は「モノ」から日本らしさの「体験」にシフトしている。
(2) 外国人旅行客にリピーターになってもらううえで大切なのは、英語力やノウハウだけでなく、真摯に外国人旅行客と向き合い、困っていることに手を差し伸べる「心からのもてなし」である。
(3) 人口減少によって経済活動の先細りが懸念される地方にとって、外国人旅行客の来訪は地方活性化のチャンスとなる。地元の人たちが主体的に歓迎のメッセージを発信することが肝要だ。