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出口治明の提言:日本の優先順位
【第23回】 2011年10月4日
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出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]

鉢呂前経産相の不適切発言では
報道にも違和感あり。
新聞はすべてを署名記事にせよ

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 若者を中心に新聞離れが進んでいるという。日本新聞協会の調査によると、わが国では2000年には人口1000人あたり570部の新聞が発行されていたが、2010年にはこれが497部(13%減少)まで落ち込んだ。それでも諸外国と比べて見ると、成人人口1000人あたり部数(2009年)では、わが国は、米国(201部)、中国(100部)、英国(332部)、ドイツ(278部)、フランス(193部)などを圧倒する新聞大国(日本は459部)であることに変わりがない(もっとも、スイスや北欧諸国は日本を上回る普及度を示しているが)。

日本の市民は新聞を信頼し過ぎている

 ところで、ここに面白い図表がある。これは、世界主要各国の新聞・雑誌に対する信頼度をまとめたものであるが、わが国の新聞・雑誌に対する信頼度が突出して高いことが読み取れる。

 こうなった理由については、やや本筋から離れるのでここでは詳述を避けるが、いわゆる1940年体制の下で、20世紀後半のわが国の政策運営がことごとく図にあたり、未曾有の繁栄を実現したことがやはり大きいと思われる。平たく言えば、お上の言う通りに一所懸命働いたら所得が倍増するような恵まれた社会においては、一般に、人は、大本営発表を疑わなくなるのである。

 なお、このような図表をいわゆる日本人論やアメリカ人論で説明する向きが多いが、それは誤りである。生まれたばかりの日本人の子供を、アメリカ人に養子に出してワシントンで育てれば、その子供はアメリカ人と同様の思考パターンを見につけるだろうし、その逆も、また真だからである。

 ともあれ、わが国は今なお依然として新聞大国であり、しかも市民が新聞を信頼し過ぎているという先進国の中ではかなり特殊な状況下にある。この2つの条件だけを考えても、社会の木鐸である新聞の責任がとりわけわが国では重いこと、この上ないではないか。 

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出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]

1948年、三重県美杉村生まれ。上野高校、京都大学法学部を卒業。1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師などを務める。2006年にネットライフ企画株式会社設立、代表取締役就任。2008年に生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社に社名を変更、同社代表取締役社長に就任。2013年6月24日より現職。主な著書に『百年たっても後悔しない仕事のやり方』『生命保険はだれのものか』『直球勝負の会社』(以上、ダイヤモンド社)、『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『「思考軸」をつくれ』(英治出版)、『ライフネット生命社長の常識破りの思考法』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。

ライフネット生命HP

 


出口治明の提言:日本の優先順位

東日本大地震による被害は未曾有のものであり、日本はいま戦後最大の試練を迎えている。被災した人の生活、原発事故への対応、電力不足への対応……。これら社会全体としてやるべき課題は山積だ。この状況下で、いま何を優先すべきか。ライフネット生命の会長兼CEOであり、卓越した国際的視野と歴史観をもつ出口治明氏が、いま日本が抱える問題の本質とその解決策を語る。

「出口治明の提言:日本の優先順位」

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