齢100を超えた作家の佐藤愛子氏。何度も断筆宣言も行っているが、そんな彼女はどんな毎日を送っているのか。101歳の日常に迫る。※本稿は、佐藤愛子『老いはヤケクソ』(リベラル社)の一部を抜粋・編集したものです。
食事を気にしたことはない
101歳小説家の食事事情
100歳にもなると、健康の秘訣はなんですかと聞かれることもありますが、そんなものは意識していません。私はとにかく面倒くさがりなんですよ。食事なんてのはそこら辺にあるもので構わない。戦争の時代はそうでなければ生きられなかった。いい加減なものを食べて生きてきました。

もう最近はあんまり食欲がありません。そもそも、100歳になってもりもり食べるなんてことはないでしょう。
ああ、言われてみれば、お肉は好きですね。とくに牛肉が好きっていうことでもなくて、お魚は白身がいいとか、その程度です。何が好きっていうのもないんですよ、もう。だから、何が体にいいとか、そういうのは気にしません。
一時ね、何を食べると体にいいって健康ブームがありましたけど、あんな面倒くさいことは気にしたことないですね。
毎日同じご飯でもかまわないみたいなところはあります。やっぱり戦争中に鍛えられましたからね。食べるものにいろいろ注文をつけられる時代じゃなかったですから。
朝食は娘や孫が用意してくれます。だいたいいつも朝起きて新聞を読んでいると、食事を持ってきてくれるという感じです。孫はいつも、必ずオムレツと、ツナマヨのサンドイッチ、あと豆のスープを出すと決まっている。毎朝決まって同じです。きょうはこれを食べたいとか、あれを食べたいとか、こだわりが全然ないんです。毎日同じご飯でもかまわないんですよ。