米国の「隠れた国民車」
ウィンナーモービルって何だ?
ウィンナーモービルをご存じだろうか。ホットドッグ用のソーセージの形をした宣伝カーで、米国では「ホットドッグを嫌いな人はいても、ウィンナーモービルを嫌いな人はいない」といわれるほど愛されている、隠れた“国民車”でもある。
オーナーは食肉加工会社のオスカー・マイヤー社。ハム、ベーコンなどの販売で知られるが、最も有名なのはホットドッグ用のソーセージだ。巨大なソーセージを模したクルマのミッションは、全米各地のイベントに参加して自社の商品をPRすることである。ヒーロー好きの国民性なのだろう、ウィンナーモービルのドライバーは“ホットドッガーズ”と呼ばれちょっとした人気者だ。
ウィンナーモービルの最初のモデルが作られたのは1936年。ボディはオリジナルだったという。その後、ウィリス・ジープのボディが流用されたりした。大きく注目されたのは、フォード・サンダーバードのボディを使った1969年モデル。全体をソーセージ型にしたもので、初めて海を越えて海外に渡った殊勲車として記録されている。プロトタイプはこのとき確立し、黄色いボディにオレンジのソーセージ型のキャビンというデザインはいまもほぼ踏襲されている。現在6台が現役で走っているが、オスカー・マイヤーがこのウィンナーモービルのドライバー募集を大々的にアナウンスし話題になっている。
募集期間は2018年1月まで、仕事は同年6月から1年間。大学卒業の学位を持っているのが条件で、広報、ジャーナリズム、コミュニケーション、広告、マーケティングなどの経験者が望ましい、という。なぜなら、ウィンナーモービルのドライバーはさまざまな取材を受け、オスカー・マイヤーの広告塔になることが期待されているからだ。