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山崎元のマネー経済の歩き方

損得計算の基礎知識

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第197回】 2011年10月11日
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 お金を正しく扱うには、いくつかの計算が正しくできなければならないが、問題は、計算が嫌いな人が多いことだ。筆者自身も、できれば細かな計算はしたくないし、運用を教える場合には、「数式」を見せただけで拒否反応を示す受講者がいることを想定しなければならない。特に初心者向けの説明を意識する場合、必要性と簡単さとのあいだで、何を伝えるかに悩む。

 第1に教えるべきことは、インカムゲインとキャピタルゲインを合計して、それぞれの時点でいくら手に入るかを計算して判断することだろう。両者を正しく比べられる人が少ないこと(前者を過大評価する傾向がある)と、これが金融商品の売り手に利用されていることは、本欄で何度も触れた。

 第2に教えるべきは、単利と複利の違いだろう。同じ年率8%で10年運用しても、運用資産額は単利なら180%にしかならないが、複利なら約216%になる、といった計算例を示し、資産はムダなく再投資すべきことを伝えたい。
併せて、運用の効率性は、おおむね複利の利回りを前提にして評価することを教える。運用資産が2年で2割増しと、10年で2倍とでは、共に年率で10%だから同じ効率だと思うようでは心もとない。

 ここで、ビジネスパーソンに対する常識として「お金は、なるべく早くもらって、なるべく遅く払うのが基本だ」と教えるのもいい。近年は低金利で効果が薄れたが、金融機関や商社はお金の受け払いの時期を有利にすることによって稼ぐことがしばしばある。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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12社を渡り歩いた資産運用の現場に一貫して携わってきた視点から、「資産運用」の方法をどう考えるべきか懇切丁寧に説く。投資家にもわかりやすい投資の考え方を伝授。

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