「新人編集者」の「新人」とは、絶対的なものなのか相対的なものなのかが少し気になり始めた昨今です。 絶対的な評価が正しい指標と言い切れないのがこの世の中かなとも思いながら、ムラタ日記、今週もスタートです。
 

 26歳男性(独身) 体育の日に引きこもる

 10月10日は体育の日。全国のお父さんとお母さんが、ビデオ片手に運動会という名の戦場へ飛び込んで行くなか、私は掃除、洗濯、料理、そしてひたすらDVD鑑賞に励むという大変インドアな生活を満喫していました。

 ある機会に『化物語』というアニメ作品を薦めていただき、「せっかくなので観てみよう」と近所のTSUTAYAへ。そこでDVD4枚レンタルが1000円というキャンペーンを行っていたのがそもそもの始まりです。「とりあえず」と4枚借りてみたは良いものの、DVD4枚ともなると視聴合計はざっと8時間。もはや目の前のDVDを消化することで精一杯に。このとりとめない話は後半で。

「お守り」と言ってもらえる作品

 さて、今週はかねてから強く希望していた装丁の打ち合わせに同行させてもらいました。私の上司T田副編集長が11月に発行を予定する作品の装丁を、数々のヒット作を手掛けられた石間淳さんにお願いすることに。大変光栄なことに、私の同席を快く受け入れていただいてのことです。

「装丁の打ち合わせ方法は編集者によって異なること」「事前にラフを考える場合は必ず原寸大でイメージすること」「帯(腰巻き)は表1(オモテ面)だけでなく表4(裏面)も含めたネームのバランスを考えること」「タイトルのちょっとした文言の変化で装丁も変わってくること」など、大変多くのことを勉強させていただきました。同席して学んだことはまだまだありますが、心の中で独占したいと思います。

秋の『サマーウォーズ』。石間さんが「お守り」にしている『1坪の奇跡』
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 打ち合わせ終了後には少しお話しする時間があり、石間さんがカバンから取り出した1冊の単行本。T田副編集長が編集を、石間さんが装丁を手掛けた『1坪の奇跡』でした。「ブックカバーを取ってから撮影すれば良いのに」と思われるかもしれませんが、このブックカバーにも意味がありました。決して“ムラタのミス”ではないことを主張します。

 『1坪の奇跡』は、吉祥寺に店を構える老舗和菓子店「小ざさ」の社長、稲垣篤子さんによる作品。石間さんにも特別な思い入れのある1冊であるため、「小ざさ」ゆかりの土地、吉祥寺にある書店「ブックスルーエ」で購入した当時のままにしてあるのだとか。

 「この作品を持ち歩いています。お守りみたいなものですね」と石間さんが語るのを聞いて、いつもハイテンションなT田でさえ驚きと感動のあまり言葉を失っていました。「お守り」と言ってもらえるような作品を編集したT田が羨ましく思えます。

 ちなみに、私がよく読み返している作品に『最後の授業』があることは以前こちらでもご紹介しましたが、ドヤ顔をする編集担当T盤の様子がはっきりと目に浮かぶため、面と向かって伝えることは控えようと。