楽天がフリーテルを買収し、格安スマホ加入者数で業界3位へと浮上する。しかしフリーテルは大赤字を抱える企業だ。果たして意味のある「買い物」なのか

楽天がフリーテルを買収
メリットはどこにあるのか?

 楽天が格安スマホ業界第6位の「フリーテル」を買収する。業界4位の楽天モバイルと合わせて、楽天は格安スマホ加入者数で業界3位へと浮上することになった。

 格安スマホ業界では、このところ携帯3社の子会社のシェアが拡大し、寡占状態が強まるのではないかという観測が強まっていた。ソフトバンク系のワイモバイル、NTT系のNTTコミュニケーションズが格安スマホの2大勢力だ。

 その2社と比べるとまだ業界下位ではあるが、auはUQモバイルに加えて昨年12月にBIGLOBEを買収した。BIGLOBEの格安スマホ事業はまだドコモ回線を使用しているが、この2社を合計するとauも(「フリーテル」買収前の)楽天と同規模の存在感を見せている。

 このように、大手への集約が強まるかと考えられていた矢先に起きたこの買収劇、これによって楽天および楽天モバイルにはどのような変化が起きるのだろうか。

 実は、今回の買収は楽天にとってとても都合が良いことが3つある。買収価格が安いこと、比較的簡単に黒字化が見込めること、そして本業にとてもプラスになるということだ。それぞれ順に説明していこう。

 第一に、買収価格が安いことについてだ。今回楽天が買収するのはプラスワン・マーケティングが運営するフリーテルブランドのMVNO事業で、その買収額は5.2億円。それに加えてプラスワン社が同事業で抱える30億円の負債も楽天が継承するという内容だ(以下、楽天がプラスワン社から継承するMVNO事業を「フリーテル事業」と記述)。

 実は、フリーテルを運営するプラスワン社は一時はベンチャーの旗手として注目されていたが、直近では売上高100億円に対して純損失を55億円も出している。経営的にはかなり厳しい状態に追い込まれていた。