結果を出す人の仕事術写真はイメージです Photo:PIXTA

「あいついいやつなんだけどね」と言われながらも、なかなか出世できない人がいる。なぜ出世できないのか。「人望がある人」と「嫌われていないだけの人」の違いとは何なのか。

ダイヤモンド・オンライン会員限定で配信中の本連載をまとめた電子書籍『結果を出す人の仕事術』(石倉秀明著)の発売を記念して、特別編をお届けする。(構成/ダイヤモンド・ライフ編集部)

「いい人なのに出世しない人」に
決定的に足りないもの

 世の中のほとんどの仕事は、周りの人たちと協力して進めて成果を上げることが求められます。ポジションが上がれば、なおさらです。

 そのため、どんどん出世していく人はそれなりに人望があることがほとんどです。ただ、「いい人だから出世している」わけではありません。

 当たり前ですが、どれだけ周りから好かれていても、十分な成果を上げられない人は出世は難しいでしょう。部長には部長に必要な要件がありますから、大事なのはそれを満たしているかどうかです。

 また、人望があることと、嫌われていないことはイコールではありません。

 いつも優しくポジティブな言葉をかけていれば、嫌われることはないかもしれません。しかし、優しい言葉をかけることだけが、「上司としての優しさ」ではないのです。部下のことを思うなら、時にはネガティブな指摘も必要です。

 部下が成果を上げてきちんと会社に評価してもらえるようガイドすることが上司の仕事ですから、それを怠っているようでは“人望がある”状況からは程遠い。嫌われないようにしているつもりでも、実は部下からは「あの人、何も言ってくれないな」と思われているかもしれません。

「嫌われたくない」というのは、結局自分自身に関心が向いているということです。本来は、目の前の部下をどうしようとか、チームの成果をどうしようということにフォーカスすべき。それが、本当に部下のためを思った行動につながり、これができる人が信頼されていくのです。

石倉秀明(いしくら・ひであき)
山田進太郎D&I財団 COO。2005年に株式会社リクルートHRマーケティング入社。その後、リブセンス、DeNA、起業などを経て2016年より株式会社キャスター取締役COOに就任(2021年より取締役CRO)。2023年10月の東証グロース市場上場に貢献し、2023年12月からは働き方について研究、調査を行うAlternative Work Labを設立し所長就任(現在も兼任)。FNN系列「Live Newsα」、AbemaTV「ABEMAヒルズ」レギュラーコメンテーター。著書に『これからのマネジャーは邪魔をしない。』(フォレスト出版)、『THE FORMAT 文章力ゼロでも書ける究極の「型」』(サンマーク出版)など。
ダイヤモンド・オンライン会員限定で配信中の連載『「40代で戦力外」にならない!新・仕事の鉄則』の人気記事をまとめた電子書籍『結果を出す人の仕事術』が発売中。