年間平均200日研修を行い、1年で5000人以上、28年間で14万人以上の人生を変えてきたカリスマ研修講師が明かす、コミュニケーションアップのコツ。最新刊『1日1分、30日で人生が変わる「話し方」「聴き方」の法則』  から抜粋してご紹介する連載5日目。
   最終日は、誰でもできる「話し方」の修正テクニック。セルフモニタリングをして、自分の話しグセを確認してみましょう。

人は「見た目」や「声の調子」で
93%判断されている!

   ご存じの方も多いと思いますが、対面で話した場合、「何を言ったか」よりも「どう言ったか」が重視されます。

   有名なもので「メラビアンの法則」というものがあります。
   これは、アルバート・メラビアンというアメリカの心理学者が提唱したもの。対面でコミュニケートしたとき、相手への感情を何によって判断するのかを数値化しています。

   まず、いちばん影響を及ぼすのが視覚から入ってくる情報で、55%。視覚情報には、表情などの見た目はもちろん、服装、態度といったものまで含まれます。次は、聴覚情報、アクセント、イントネーションが38%。そして、残りのたった7%が言語なのです。

   喫茶店で先日、恋人同士のこんなシーンを目にしました。「嫌い、嫌い、大嫌い」と彼女が言い、それを彼氏が喜んでいたのです。発している言葉は「嫌い」でも、はにかんだ微笑を浮かべ、身をくねらせながら、甘い声で言えば、これは93%、「あなたが大好き」というメッセージになります。

   同じお礼の言葉でも、
「ありがとうございました!」と笑顔で明るく言うのと、
「ありがとうございました……」と暗い表情でボソボソと言うのとでは、印象がまったく異なります。

「人の心(ホンネ)」は、言葉ではなく、表情、態度、口調に表れます。

   あなたが発している言葉がいくら正論であっても、表情、態度、音調、語調によっては、誤解を招いたり、うまく伝わっていなかったりする可能性があります。