希望の党も「切り貼り新党」、二大政党制にこだわる必要はないPhoto:REUTERS/AFLO

わが国では二大政党制が理想とされ、選挙が近づく度に複数の政党が合流して新党を作る動きが見られる。しかし、その実態は単なる寄せ集めに過ぎない「切り貼り政党」であり、いずれも短命に終わっている。そもそも二大政党にこだわる必要はあるのか、なぜ、切り貼り政党が相次ぐのか。(室伏政策研究室代表・政策コンサルタント 室伏謙一)

「切り貼り新党」の乱立
新党として大同団結する意味は

「切り貼り新党」という言葉。これはかつてみんなの党が政界再編を巡る路線対立に明け暮れていた時に、みんなの党、日本維新の会、それに民主党の一部で合流して新党を作ろうという動き(各党の英語の名称の頭文字、民主党のDemocratic party、日本維新の会のJapan Restoration party、みんなの党のYour partyを取ってDRYの会と称していた)に対して、それを揶揄する表現として当時の渡辺喜美代表が考えついたものだ。

 渡辺代表は、政界再編は新党ではなく、政党ブロックによるべきと主張、党の方針として半ば強引に決定した。無論そう主張し、無理やりにでも党の方針にした背景には純粋に党内対立があった。だがそれはそれとして、その当時形成された政党ブロックを是とし「切り貼り新党」は否であるとする論理は今日の政治状況、特に安倍政権に対抗するために「政党間の共闘や連携ではなく、新党として大同団結する」という動きを考える上で、大いに参考になると考えられる。

 その論理を、諸外国の事例や先行研究による肉付けをしつつ取りまとめたのは筆者であることから、その概要を紹介するとともに、安易な政党の合併や合流に対して疑問を呈することとしたい(なお、みんなの党における政党ブロック構想を巡る争いについては、拙著『仮面の改革派・渡辺喜美』を参照されたい)。