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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

貿易見本市の低迷と豪華客船の寄港
香港紙「明報」の速報記事に見る
中国経済の外需から内需へのシフト傾向

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第75回】 2011年10月20日
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 世界経済の先行きは、再び曇りのち雨のような動きとなっている。ヨーロッパでは、フランスとベルギーに拠点を置く金融大手の「デクシア」が事実上、経営破綻した。

 ギリシャの財政危機から始まったユーロ危機は、一向に収束する気配を見せず、世界の主要通貨としてのユーロは、危機的な局面から脱出できていない。EU(欧州連合)は少なくとも25の銀行が資本の増強を必要としている、と戦々恐々だ。

 EUは世界経済を脅かす新しい発火点となりかねないほど、危機的な状態に陥っている。

 一方、リーマンショック以来、世界経済を苦しめてきた米国では、ニューヨーク・ウォール街の占拠を呼びかけた大衆の抗議デモが16日で30日目に突入し、全米各地で逮捕者が多数出たばかりでなく、その抗議の炎が世界の多くの都市まで飛び火し、IT技術の発達に支えられるグローバル時代の社会問題として、世界中の人々の注目を浴びている。

賑わいを失った
中国輸出入商品交易会

 こういった動きは中国経済にも色濃くその影を落としている。10月16日付香港の新聞「明報」から送られたニュース速報を見ると、その影が見事に映されているような気がした。ここで今回のコラムは、その速報に出ている、中国経済に関連する3つの記事を拾ってみることにした。

 現在ちょうど広東省の省都広州市で、中国輸出入商品交易会が開催されている。長い歴史をもつ中国輸出入商品交易会は中国最大の貿易見本市で、「広交会」という略称で親しまれるほど、これまで中国貿易の風向計とされてきた。

 しかし、開幕式が行われた15日には、初日の賑わいはなく、例年と比べてひっそりとしており、買い手も模様眺め傾向が濃厚である。田舎の自由市場になり下がったと嘆く出展者もいる。海外、特に欧米からの買い付け業者が大幅に減った、と出展者の多くが口を揃える。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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