休日とは違って広々としたスペースは閑散としており、午前中にゆったりとしたソファーに座っているのはほとんどが高齢の男性だ。住宅地にある喫茶店にも定年退職したと思われる人は少なくない。子どもたちを連れたママ友のグループとは違って、一人で新聞や週刊誌を読んでいる人が多い。

スポーツクラブは大繁盛

 住宅地に近いターミナル駅にあるスポーツクラブは、開館の9時には長い行列ができる。男性、女性を問わず高齢者が並ぶ姿は壮観でもある。私もこのクラブに加入して通ってみた。すると、午前中は見事なまでに高齢者が中心である。

 私は定年退職するまでは、スポーツクラブは勤務時間後に汗を流す場所かと思っていたが、認識を改めさせられた。

 昼間であれば何回使っても定額のコースがあり、朝から夕刻近くまでクラブで過ごしている人もいる。サウナや浴場もあるので「昼食を持ち込めば本当にゆっくり過ごせる」という男性定年退職者もいたのである。

 以前、利用者の意見を掲示するボードに、「スポーツクラブだと思って入会したのに、ここは養老院なのか」と批判する意見が書かれた用紙が貼られていたことがあった。それに対して、クラブ側は「この施設はいろいろな世代の人に利用してもらうものです」と回答をしていたのを覚えている。こんな意見はわざわざオープンにしなくても良いと思ったが、批判する意見を書いた女性の気持ちは分からないでもなかった。

都心のカフェで定点観測

 大阪市の中心部にある決まった場所から行き交う人を何日も眺めていると、それらしき人は多くはないが確認することができる。ただ時間は大体限られている。

 朝のラッシュアワーが終わって午前10時位になると、街中では人の流れは極端に少なくなる。その頃から明確な目的なく歩いている人の姿がやや目立つようになる。午前中にはそうした人を目にするが、午後になると行き交う人が多くなってもうわからなくなる。

 もちろん外見から定年退職者かどうかは確定できないが、長く勤め人をしていたかどうかはなんとなく雰囲気でわかる。私も定年退職者なので同じにおいがするのだ。