北海道・富良野。雄大な自然に中国人もあこがれる (写真はすべて著者の友人男性の提供)

中国の大型連休、国慶節が終了した。しかし、大型連休以外に、ゆっくり日本を楽しむプチ富裕層が増えている。彼らは日本が大好きで、旅先では日本人以上に詳しい知識や蘊蓄をSNSで披露している。(ジャーナリスト 中島 恵)

大型連休を外して
ゆっくりと旅を楽しむプチ富裕層

「もうすぐ京都と東京に遊びに行く予定なんです。東京では『星のや東京』に泊まって、根津美術館の展示を見たり、友人が事前に予約しておいてくれたフラワーアレンジメントの1日教室に通って、銀座に懐石料理を食べに行く予定です。もし時間があったら高尾山にも登ってみようかな」

 中国の大型連休、国慶節(今年は10月1日~8日)には約7万人の中国人が海外旅行に繰り出し、日本はタイに続き人気ナンバー2だったという。だが、連休が終わった翌日、北京在住のOLの友人からこんなメッセージが送られてきた。わざわざ連休後を狙って、ゆっくりと日本を旅しようという中国人のプチ富裕層が増えている――。

 このような現象は、以前の記事(「中国人訪日客の「春節の爆買い」が減った意外な理由」)でも紹介した通りで、その傾向はますます広がり、分散化、多様化、成熟化の傾向に拍車がかかっている。

 だから、こんなメッセージがきても最近はちっとも驚かなくなったが、それだけではない。昨今では旅の質がグンとアップし、日本について日本人でも知らないような「蘊蓄(うんちく)」を語り、強いこだわりを持つ「旅の達人」が急速に増えてきたのだ。

 いわゆるカリスマブロガーのような、旅することを半分仕事にしていたり、何かを宣伝したりする有名人ではない。ごく普通の中国人だ。その知識量の多さと探求心の旺盛さに、日本人の私でさえもびっくりしている。