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田中秀征 政権ウォッチ

野田首相に懸念される「発信力の弱さ」は
ぶら下がり取材拒否のせいではない

田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]
【第107回】 2011年10月27日
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 野田佳彦政権が発足してそろそろ2ヵ月になる。だが、実感としては、もっと長い期間であったような気がするのはどういうわけか。

 野田首相の協調的な姿勢によって、政権に菅直人政権のような遠心力は働いていないが、かと言って、求心力も日が経つにつれて弱まっている。

 メディアの論調は、「野田首相の発信力が弱い」ことを指摘しているが、それも求心力を弱める大きな要因だろう。

「朝の声掛け」「ぶら下がり」は本当に必要か
メディア優先は官僚主導を助長しかねない

 野田首相は、記者たちの「朝の声掛け」や「ぶら下がりインタビュー」に応じていない。

 だから首相が発信する機会が少ないと批判するメディアもある。

 しかし、私はそれを大きな理由だとは思っていない。

 「朝の声掛け」も「ぶら下がり」も原則として応じる必要はない。もちろん特別の場合は別である。

 「ぶら下がり」でどう答えるかじっくり考えることは首相にとって無駄な場合が多く、記者たちにも同じように無駄である。双方ともに、そんな時間があったらもっと勉強すればよい。

 そのかわり、首相は1週間に一度、少なくとも2週間に一度は、1時間ほど記者からの質問中心の定例記者会見を開くべきだ。そこでは、何らかの形でフリージャーナリストからの質問に答える機会もつくる必要がある。

 この定例記者会見のほかに、首相の側に発表する重要な案件があれば、特別の記者会見を臨時に設ければよい。もちろん、内外の緊急事態のとき、首相が記者会見を開かなければ、内閣記者会がそれを要求することになる。

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田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]

1940年長野県生まれ。東京大学文学部、北海道大学法学部卒業。
83年、衆議院議員初当選。93年6月、新党さきがけ結成、代表代行。
細川政権発足時、首相特別補佐。第一次橋本内閣、経済企画庁長官。
現在、福山大学客員教授、「民権塾」塾長。


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かつて首相特別補佐として細川政権を支えた田中秀征が、期待と不安に溢れた現政権の動向を鋭く斬り込む週刊コラム。刻一刻と動く政局をウォッチしていく。

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