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認知症になっていない69~71歳は何を食べてきたか

井手ゆきえ [医学ライター]
【第363回】

 男女とも「人生80年」が当たり前になった日本人。健康寿命を引き延ばし、いかに認知機能を維持するかは個々人の生活習慣にかかっている。

 そこで気になるのは認知機能を保っている高齢者の食生活だ。「いったい何を食べたら認知症を予防できるの?」──というわけ。

 先日、国立保健医療科学院の研究チームから、健康長寿研究(SONIC)のデータを使った解析結果が報告された。

 SONICは、大阪大学と東京都健康長寿医療センター研究所が2010年から行っている調査だ。兵庫県と東京都の都市部および山間部に住む高齢者を対象に、健康で長生きする秘訣を調べている。

 遺伝的背景や生活環境を踏まえた観察が特徴で、住民健診を利用し、医師や看護師の問診で生活背景や心身の状態を把握している点でも信頼性が高い。

 今回の報告では、10年の登録時に69~71歳だった635人(男女比はほぼ1:1)の食パターンと認知機能の関係を解析している。

 食習慣のアセスメント結果から対象者の食生活を、(1)緑黄色野菜や海藻、キノコ、大豆製品や魚が中心、(2)ご飯とみそ汁が中心でパン食や脂肪分が少ない、(3)魚介類や赤身肉、鶏肉など動物性タンパク質が中心、の3パターンに分け、認知機能スコアとの関連を調べた。

 その結果、(1)の食パターンと良好な認知機能が強く関連していることが判明した。既往歴や体格指数、アルツハイマー型認知症と関連する遺伝子の有無など関連因子の影響を排除しても、(1)の有効性は変わらなかった。

 一見、身体によさそうな(2)の食パターンは認知機能の低下と有意に関連することが示されている。(3)との関連性は認められなかった。研究者は「日本人では、バラエティー豊かな食生活が抗老化に働くようだ」としている。

 世界的に健康的とお墨付きを得ている「地中海ダイエット」も、野菜や果物、魚、ナッツ(大豆も入る)など食材が豊かだ。年齢を重ねると慣れ親しんだ味に固執しがちだが、若々しい認知機能を保つには何かしら新しい刺激が大切。食わず嫌いは脇に置こう。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

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井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 


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